
12/12(火)、シネ・ウインドの井上支配人と「息の跡」「空に聞く」などを監督した小森はるかさんが企画した緊急上映会「映画を通してパレスチナと出会う」に参加してきました。
ガザ地区の被害状況を受けての本当に緊急上映会で、6日前に宣伝したにもかかわらず、なんと約70人の方にお越しいただきました。

僕もスタッフとして参加したはいいものの、ほとんど皆さんがやってくれて何もやることがない…と思ったら、募金箱の担当になりました。
今回の上映会では、経費を差し引いた売り上げと、募金は寄付するとのこと。

会場には、パレスチナを生きる人々を想う学生若者有志の会の皆さんが作った、パレスチナのためにできること一覧も貼られました。

そして、先日のシネ・ウインド前のスタンディングでも使った、パレスチナの停戦を求めるプラカードも。

最初に小森はるかさんの挨拶によって、今回の経緯を説明。
今回上映する「我々のものではない世界」は、山形ドキュメンタリー映画祭から借りたものだそうです。
「我々のものではない世界」は、パレスチナにルーツを持つデンマーク人のマハディ・フレフェル監督が、故郷であるレバノンのパレスチナ人の難民キャンプ、アイン・エル・ヘルワに里帰りした時に撮影した記録映像と、過去のホームビデオを合わせて編集したもの。
そもそも、パレスチナ北部のレバノンにもパレスチナ人の難民キャンプがあることを初めて知りましたし、これは2012年の映画ですが、今もあるそうです。
過去のホームビデオは、子供時代の監督と、監督のお父さんが撮ったもので、アイン・エル・ヘルワの比較的平和な暮らしが登場。
特にパレスチナ人も日本人と同じようにワールドカップに熱狂する姿は印象的で、同じ人間なんだなあと感じました。
ただ、パレスチナにはサッカーチームがないため、どの国を応援するかで人々の意見が分かれるのは特徴的でした。
そんな何気ない日常の映像が歴史の記録になるんだなあと思ったし、それは小森はるかさんの映像作品にも通じるものがあると思いました。
子供時代をアイン・エル・ヘルワで過ごした監督は、家族でそこを離れドバイなどで暮らしつつ、やがてデンマークで暮らすことに。
しかし、アイン・エル・ヘルワには残してきた家族や友人もいるわけで、監督は毎年里帰りをしています。
ただ、アイン・エル・ヘルワは本来難民以外は入れない場所とのことで、入るためのゲートには銃を持った兵隊がいる。
なので監督は毎回交渉して入っているそうで、もうその時点で自由が奪われているのを感じました。
アイン・エル・ヘルワで、監督は昔からの親友と再会し、彼をメインに撮っていきます。
親友の語る「パレスチナなんてイスラエルに倒されればいい」と故郷を憎む言葉が胸に突き刺さり、これは、現地の人の生の声でないと伝わらない、感情や現実。
最後に難民キャンプを離れる監督と、これからも暮らす親友の対比が描かれるのですが、別れ際が切なく、また会えますように…という気持ちに。
こういう別れがパレスチナの人達にはたくさんあったのだろうと想像させられます。

上映後には、新潟国際情報大学教授である佐々木寛さんのミニトークも。
そこでは、当時のパレスチナ政権がイスラエル政権と和平合意したことに対して、パレスチナ政権は俺達を売ったみたいな不信感がパレスチナの人達の中にあることを指摘し、映画に登場する親友同様、これは現地の人の声を聞かないと見えてこない問題だと思いました。
また、近年の戦争は次第に軍人よりも民間人の死傷者が増えているというデータもあるそう。
何はともあれ、一日も早くガザに平和が訪れることを願いします。
こうして上映会を企画していただいた井上さん、小森さん、そしてゲストの佐々木教授、ありがとうございました。
今回の上映会によって、パレスチナの問題に対して理解が深まり、日本で平和を願う人達の声が高まるきっかけになればいいなと思います。

12/13(水)、トークイベント「月刊おはなし図鑑」最終回、第60回。
「【お知らせ】トークイベント「月刊おはなし図鑑」〔最終回〕第60回 ゲスト:なし、2023年の振り返り[12/13(水) 19:30 ぺがさす荘]」
本番までのカウントダウン!
本番1日前、12/12(火)、クロスパルにいがたから。