「奴も昔は大志を抱く有望な忍者じゃった。それ故、後継者として育てようと思ったのじゃ。しかし、いつからか奴は自らの力を侮り、悩み、怖れ、最後は道を誤った」「あっしは道を謝ったりは致しません!」好天はキンジの側に飛び降りてきた。「試練を与えたのに、あ奴等と親しくなって戦い辛い等、チョー甘いことを言うておるではないか。心の揺らぎ易い者は弟子には取らん! 一人しか継げぬラスト忍者を、塾かなんかで学ぶことと混同するでない」厳しい表情の好天だった。
一方、暗い屋敷の中で、件の十六夜は恐れの酒を半ばの翁の面に注いだ。すると呪言と共に妖気が立ち上ぼり、錫杖を持った翁面の如き怪異が現れた。「ハァアァァッ」唸る翁の怪異。十六夜は畏まった。「よくぞ御戻りに下さいました。晦正影様。私は牙鬼幻月様の小姓、十六夜九右衛門と申します」「おおう、御館様の小姓であるか。大義であるぞ。して、シャバの様子はどうなっておる?」「ラスト忍者の孫供がちょこまかと暴れておりまする。まずは恐れの力を集めるのが先決かと」恐れの酒の入った瓢箪を示す十六夜。「焦らずとも、御館様の御霊はすぐそこまで来ておる。フンッ」正影が床を錫杖を差すと、床が妖気で歪み、幻月の顔が現れた。「フハハハッ! 見えるぞ。この世が地獄へと変わりゆく様が。家臣供、存分に働けぇッ!!」幻月の姿は消えていった。
伊賀崎道場では雷蔵を破った天晴が気の抜けた様になっていた。学校から凪と風花が帰り、凪は何かのチラシを落としながら英語の教科書を取り出し、八雲に手伝ってもらおうとしたが断られた上に軽く説教を喰らい、「じゃあ、もういいよ。スターさん!」とバレバレ気味に忍んでいたキンジに宿題の手伝いを頼むがこれも断れてしまった。「今後、本物の刺客と考えて下さいやし!」煙りと共にいつも家事に使っていた
2に続く
一方、暗い屋敷の中で、件の十六夜は恐れの酒を半ばの翁の面に注いだ。すると呪言と共に妖気が立ち上ぼり、錫杖を持った翁面の如き怪異が現れた。「ハァアァァッ」唸る翁の怪異。十六夜は畏まった。「よくぞ御戻りに下さいました。晦正影様。私は牙鬼幻月様の小姓、十六夜九右衛門と申します」「おおう、御館様の小姓であるか。大義であるぞ。して、シャバの様子はどうなっておる?」「ラスト忍者の孫供がちょこまかと暴れておりまする。まずは恐れの力を集めるのが先決かと」恐れの酒の入った瓢箪を示す十六夜。「焦らずとも、御館様の御霊はすぐそこまで来ておる。フンッ」正影が床を錫杖を差すと、床が妖気で歪み、幻月の顔が現れた。「フハハハッ! 見えるぞ。この世が地獄へと変わりゆく様が。家臣供、存分に働けぇッ!!」幻月の姿は消えていった。
伊賀崎道場では雷蔵を破った天晴が気の抜けた様になっていた。学校から凪と風花が帰り、凪は何かのチラシを落としながら英語の教科書を取り出し、八雲に手伝ってもらおうとしたが断られた上に軽く説教を喰らい、「じゃあ、もういいよ。スターさん!」とバレバレ気味に忍んでいたキンジに宿題の手伝いを頼むがこれも断れてしまった。「今後、本物の刺客と考えて下さいやし!」煙りと共にいつも家事に使っていた
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