羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

手裏剣戦隊ニンニンジャー 1

2015-05-25 21:33:28 | 日記
「奴も昔は大志を抱く有望な忍者じゃった。それ故、後継者として育てようと思ったのじゃ。しかし、いつからか奴は自らの力を侮り、悩み、怖れ、最後は道を誤った」「あっしは道を謝ったりは致しません!」好天はキンジの側に飛び降りてきた。「試練を与えたのに、あ奴等と親しくなって戦い辛い等、チョー甘いことを言うておるではないか。心の揺らぎ易い者は弟子には取らん! 一人しか継げぬラスト忍者を、塾かなんかで学ぶことと混同するでない」厳しい表情の好天だった。
一方、暗い屋敷の中で、件の十六夜は恐れの酒を半ばの翁の面に注いだ。すると呪言と共に妖気が立ち上ぼり、錫杖を持った翁面の如き怪異が現れた。「ハァアァァッ」唸る翁の怪異。十六夜は畏まった。「よくぞ御戻りに下さいました。晦正影様。私は牙鬼幻月様の小姓、十六夜九右衛門と申します」「おおう、御館様の小姓であるか。大義であるぞ。して、シャバの様子はどうなっておる?」「ラスト忍者の孫供がちょこまかと暴れておりまする。まずは恐れの力を集めるのが先決かと」恐れの酒の入った瓢箪を示す十六夜。「焦らずとも、御館様の御霊はすぐそこまで来ておる。フンッ」正影が床を錫杖を差すと、床が妖気で歪み、幻月の顔が現れた。「フハハハッ! 見えるぞ。この世が地獄へと変わりゆく様が。家臣供、存分に働けぇッ!!」幻月の姿は消えていった。
伊賀崎道場では雷蔵を破った天晴が気の抜けた様になっていた。学校から凪と風花が帰り、凪は何かのチラシを落としながら英語の教科書を取り出し、八雲に手伝ってもらおうとしたが断られた上に軽く説教を喰らい、「じゃあ、もういいよ。スターさん!」とバレバレ気味に忍んでいたキンジに宿題の手伝いを頼むがこれも断れてしまった。「今後、本物の刺客と考えて下さいやし!」煙りと共にいつも家事に使っていた
     2に続く

手裏剣戦隊ニンニンジャー 2

2015-05-25 21:33:20 | 日記
エプロンを置いて、キンジは消えてしまった。「どうしたんだろう?」戸惑う凪だったが、他のメンバーはそうでもなかった。「なんだコレ?」凪の落としたチラシを拾う天晴。「街で配ってたよ」自分は受け取らなかった風花。「熱いなコレ! 参加しようぜ? 燃えて来たぁッ!」チラシを投げる天晴。そこには「忍者運動会?!」と書かれており、チラシを街で受け取った凪やその場にいたはずの風花も律儀にリアクションするのだった。
山中にて、それなりに賑々しくセレモニーが開かれる忍者運動会。薬玉も割られた。「宣誓! 僕達、私達は、忍者マンシップにのっとり、正々堂々と忍ぶどころか暴れることを誓います!!」嬉しそうに宣誓する天晴。しかし会場には運営委員と天晴達しか見当たらなかった。「参加してるの私達だけじゃん」突っ込む風花。「そうでもないようですよぉ」指摘する霞。よく見ると木々の陰に諸流派の忍者達が忍んでいた。レジェンド忍者戦隊の姿は無い。「忍んでる忍者なんかに絶対負けないぞぉ!」天晴はよくわからない張り切り方をしていた。
「準備完了しました」運営テントの中で運営委員に化けていたジュッカラゲは正体を現した。普通に喋れたジュッカラゲ。テントでは正影がパイプ椅子で待っていた。「ううん」鷹揚に頷く正影。そこへテントの幕を透過して十六夜が入って来た。「これは一体? 遊んでいる場合ではございませぬぞ?!」憤然とする十六夜。「如何なる謀にも遊び心を入れるというものが粋というものじゃ。違うか八衛門?」「九右衛門でございまする!」「急いてはことを仕損じるだけじゃ」正影は授業等で使う普通の差し棒でテーブルの上のちょっと可愛い感じのニンニンジャーにイラストの駒を払った。
「第一種目、ツリーフラッグ!」木の上のフラッグを目指し、競技は始まった!
     3に続く

手裏剣戦隊ニンニンジャー 3

2015-05-25 21:33:13 | 日記
 伊賀崎流からは天晴と八雲が参加。「負けないぞ!」八雲と張り合う天晴だったが、「それはいいが、気を付けろよ天兄!」八雲は忠告した。ドォンッ!! 八雲の忠告通り竹槍衾が地上から突き出してきた! 驚きつつも天晴達も諸忍者達も竹槍を跳ぶ等して凌いだが、続いて地中から突然張られた蔓に次々掛かる諸忍者達! 天晴達は転がって回避した。「サバイバルフラッグか! イーズィだな。勝負はもらうぞ天兄!」「いやいや、俺が勝ぁつッ!」天晴と八雲は競い合って飛び上がり、頭上から垂れる蔓に跳び移りながら、進んで行った!
諸忍者を追い越し「イエーイ!」と天晴は喚声を上げ、快調な二人だったが、「御命頂戴ッ!」変身済みのキンジが二人の蔓を切ってしまった!「手裏剣変化!」天晴達は変化して落下のダメージを軽減した。「こんな時でも御命頂戴かよ!」周囲を窺う天晴。その背後からキンジが飛び掛かったが、掴んだのは『無駄だ!』と書かれた変わり身の術の藁人形だった。「NOッ!」悔しがるキンジ。天晴と八雲は木から木へ飛び回って競ったが、フラッグを取ったのは天晴だった。「取ったどぉッ!! わっしょい!」喜ぶ天晴。
「第二種目、大玉転がし」洞窟の中で大玉を転がす変身を解いた天晴達と諸忍者達! 今回全員。「負けるかぁッ!」二つの玉を転がしまくる天晴達。と、後方の天井が崩れ、丸い大岩が転げ落ちてきた! 岩が天晴達に転げてくる!!「なんだアレ?!」ビビる凪。「逃げろ!!」八雲に言われるまでもなく、一同は玉を転がしながら逃げ出した!! 道は『あっち 』『こっち』に別れていたが玉二つ共、『こっち』に進む天晴達! 岩は角に激突して『こっち』に向かってきた! 風花と凪の押す玉が遅れている!「仕方ねぇなぁ」天晴は変化して「おりゃあッ!」岩を素手で止めた! ここで「伏せろ、天兄!」八雲がキンジの接近に気付いた!
     4に続く

手裏剣戦隊ニンニンジャー 4

2015-05-25 21:33:05 | 日記
「隙有りでごぜぇやすッ!」危ういところで避け、キンジの斬撃は厄介な岩を砕いた!「ありがとな」礼言って天晴達は競技を続けた。「NOッ!」裏目裏目のキンジ。玉転がしは霞達が洞窟を抜け出し、伊賀崎流が1位となった!
スーパーお弁当タイム!!「いただきまーす!!」弁当に箸を伸ばす天晴達。内容はおにぎり、卵焼き、マカロニサラダ、ポテトサラダ、パスタ? 竹輪チーズ、プチトマト、肉巻き、フライドポテト、チキンナゲット、唐揚げ、手羽揚げ? フルーツ盛り合わせ。フルーツ以外はわりとパワー系!「あ、やべぇ。水筒忘れた」「もうっ!」天晴のミスに風花がっかり。その前に天晴に水筒の管理を任せるジャッジに問題有り!「じゃあ僕買ってくるよ」腰を上げる凪。「頼む、わりぃ」一同、凪にドリンクを任せた。
小走りで出掛けた凪は、樹上でいつもの好天の忍術書を読みながらハンバーガーをかじるキンジを見付けた。「スターさん、僕達と一緒に食べればいいのに」「あっしは狙う側、坊っちゃん方は狙われる側、仲良くするのは変でごぜぇやす」「何、急にキャラ変わってんの? ただでさえ、変な忍者なんだから」キンジは動揺した。「え? おわぁ?!」木から落っこちてくるキンジ。「大丈夫?」駆け寄る凪。「変でごぜぇやすか?」「うん、すっごい変! お爺ちゃんに弟子入りとか変過ぎ」立ち上がったキンジは家族の写真を落とした。よく落とすキンジ。凪は拾い上げた。「誰、これ?」言葉を濁すキンジだったが、結局話すことにした。
「これはあっしと、あっしの父と兄でござる。父も兄も妖怪ハンターでございやした」写真を手にサラッと凄いことを言うキンジ。凪は薄いリアクションで休憩所まで来ると、自販機で飲み物を買い始めた。「へぇ、なんかウチと似てるね」「(飲み物)皆さんに頼まれたんでごぜぇやすか?」
     5に続く

手裏剣戦隊ニンニンジャー 5

2015-05-25 21:32:57 | 日記
「いや、そういう訳じゃないけど、皆飲みたいだろうからさ」自分から言い出しはいたが、さっき頼まれてはいた。「霞ちゃんにはお茶で、八っ君紅茶」どんどん買ってゆく凪。「家族だから言わずともわかる。そうでごぜぇやすね?」「どうだろ? 考えたこと無い。スターさん家だってそうでしょ?」「いえ、実は幼い頃に」写真を胸元の内ポケットに仕舞うキンジ。「父も兄も妖怪に殺られちまいやしてね。あっしは家族ってもんがいまいちわからないんでごぜぇやす」「ごめん、変なこと聞いちゃって」「いえ、とにかくあっしは二人を超える妖怪ハンターになる為、ラスト忍者様の弟子になろうと思ってるんでごぜぇやす。ですから、これ以上仲良くしないよう、お願い致しやす」頭を下げるキンジ。「わかったけどぉ。たぶん、それ無理じゃない?」「え?」思わずキンジが顔を上げると丁度林の中を歩いていた運営委員がジュッカラゲの正体を現した! 雑なバレ方のジュッカラゲ! 凪達は驚愕した!
「次の競技は団体戦による障害物競走です!」3人4脚で並ぶ霞達と諸忍者達。「凪のヤツ、おっそいなぁ」天晴は不参加だった。ドリンク無しで弁当を食べた天晴達は、おそらく口と喉が砂漠状態!「大変だ!」凪とキンジが駆けてきた! 飲み物は、持って無いッ!!「おっせーよッ!」「天ちゃん、コイツら牙鬼の奴等だ!」「バレては仕方が無いッ!」妙に顔の濃いジュッカラゲ人間体! ジュッカラゲ達は本性を現した!! 驚きつつも構える諸忍者達。「だろうな!」「そんなことだと思ってましたので、仕掛けておきました」「手裏剣忍法、アミアミの術!」五遁手裏剣で木の術を選び、ジュッカラゲを網で捕らえる霞と八雲。「スゲェなぁ! このまま一気に片付けるぜ!!」だが、無数の蔓が背後から霞、八雲、風花、諸忍者達の足に絡み付き、「うわぁ~ッ?!」薬玉の中に引き寄せて
     6に続く