積み上げた岩を崩し、崖下に転がし落とした!「ダリューンだ! マルズバーン(万騎長)ダリューンが突っ込んで来るぞッ!!!」エラムが叫んで煽ると、転がり落ちる岩の音と振動も合わさり、大軍の進行とカーラーン隊に錯覚させた!!「ダリューンだとぉ?!」「ダリューン!!」「来たぁッ!!!」元々混乱していたカーラーン隊は勝手に退散し始めた!!「こらぁッ! お前達逃げるなッ!!」士官達が制止してももはや隊の離脱の流れは止められなかった!「あやつの悪名を利用したらこうも効果覿面とはな。後は頼んだぞ、ダリューン!」斬り込みから早々に引き上げ、高所で事態を見ていたナルサスは言った。
「凄い、兵が引いてゆく! 千人からの兵をたった数人で!」アルスラーンも崖の上から混乱し、撤退するカーラーン隊を見ていた。「おのれぇ、どけぇッ!!」逃げる兵に構わず、カーラーンはアルスラーンに向かって崖を駆け上がった! 兜を被ったダリューンはやや離れた場所でそれに気付いた。アルスラーンは矢を放ったが、カーラーンはそれを槍で弾いた! 矢も、尽きた! カーラーンは馬の嘶きと共に崖を駆け上がり切った! 対峙するアルスラーンとカーラーン!
「カーラーン、お主に尋ねたい。マルズバーンとして、いやそれ以前からパルスの騎士として! 誰にも後ろ指を指されることが無いお主がッ! なぜルシタニア等に膝を屈したのか?! 欲に釣られたとも思えぬ。理由が有るなら、是非教えてくれ!」「知らぬがお主の為だ」カーラーンは槍を構えた!「このカーラーン、醜悪な裏切り者と信じて死んでゆくがいい! アンドラゴラスの呪われた子よッ!」カーラーンが突き掛かろうとしたその時! アルスラーンはわかっていた! 騎乗の黒衣のダリューンが間に押し入る!!「ダリューン!」
7に続く
「凄い、兵が引いてゆく! 千人からの兵をたった数人で!」アルスラーンも崖の上から混乱し、撤退するカーラーン隊を見ていた。「おのれぇ、どけぇッ!!」逃げる兵に構わず、カーラーンはアルスラーンに向かって崖を駆け上がった! 兜を被ったダリューンはやや離れた場所でそれに気付いた。アルスラーンは矢を放ったが、カーラーンはそれを槍で弾いた! 矢も、尽きた! カーラーンは馬の嘶きと共に崖を駆け上がり切った! 対峙するアルスラーンとカーラーン!
「カーラーン、お主に尋ねたい。マルズバーンとして、いやそれ以前からパルスの騎士として! 誰にも後ろ指を指されることが無いお主がッ! なぜルシタニア等に膝を屈したのか?! 欲に釣られたとも思えぬ。理由が有るなら、是非教えてくれ!」「知らぬがお主の為だ」カーラーンは槍を構えた!「このカーラーン、醜悪な裏切り者と信じて死んでゆくがいい! アンドラゴラスの呪われた子よッ!」カーラーンが突き掛かろうとしたその時! アルスラーンはわかっていた! 騎乗の黒衣のダリューンが間に押し入る!!「ダリューン!」
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