nemo 折々の自然

折に触れて観察した自然などの記録

ロシア紀行2-2

2018-06-11 15:59:23 | 旅行記

平成30年5月13日(日)晴 26℃

 午後からは待望の『エルミタージュ美術館』の第1回鑑賞となりました。

 今日は宮殿の装飾めぐりと、『ゴールデンルーム』の見学で、解説はA氏の担当でした。

 ネヴァ川沿いにあるグループ入口は大変な混雑でしたが、私達は空いている宮殿広場の入口から入場しました。

  

 ロマノフ朝の皇帝たちが暮らす宮殿だったエルミタージュ美術館、美術品もさることながら豪華絢爛たる各ホールも見も

 のと言われています。黄金に輝く調度品や豪華な客間にその栄華が感じられます。

大使の階段

 皇帝に謁見に来た大使たちが上がった大理石の階段で、吹き抜けの高さは22mで、現在は美術館見学のスタート地点とな

 っています。大理石に刻まれた紋様、壁面の雅やかな装飾が見事、天井の絵にも目を奪われます。

ピョートル大帝の間

 ピョートル大帝の栄光を讃えニコライ1世(在位1825〜55年)が建造、双頭の鷲や王冠など壁の装飾が美しい。

 正面の絵は、勝利の女神ミネルヴァに見守られたピョートル大帝、その手前の椅子はピョートルの姪アンナ女帝の玉座。

  

ニコライ1世

 1825年にニコライ1世が即位した直後、デカブリストの乱がおこります。ニコライ1世は武力を行使して、この乱をすぐに

 鎮圧しました。1853年、ニコライ1世はバルカン半島への進出を企て、オスマン・トルコとのクリミア戦争に突入します

 が、戦争最中の1855年に急死します。

 彼の死後、クリミア戦争は多大な犠牲を出した末にロシア軍の敗北に終わります。

     *

紋章の間

 部屋の端にコリント式の円柱の柱があります。こちらの部屋は冬宮の中でも大きなホールで現在でも各種のイベントが開

 催されている部屋です。豪華なシャンデリアにはロシア帝国の領主の紋章が記されています。

1812年祖国戦争の画廊

 祖国戦争の勝利を記念したホール。勝利に貢献した332人のロシア将軍の肖像画がズラリと並ぶ様は圧巻でした。

  奥の一番大きな絵はアレクサンドル1世、ナポレオン軍との祖国戦争を戦い抜いた皇帝でした。

  

玉座の間

 歴代皇帝が公式レセプションを行なったホール。その広さと豪華絢爛な内装に圧倒されます。

 正面側にあるのは、赤のベルベットに金糸で刺繍されたロシア皇帝の紋章「双頭の鷲」、その手前に玉座が置かれている

パヴィリオンの間

 窓からはネヴァ川が、もう一方には2階の高さに造られた空中庭園を眺めることができます。

 18世紀イギリスの時計職人ジェイムス・コックス作の大きな黄金の仕掛け時計は必見です。ここは大変な混雑でした。

  

レオナルド・ダヴィンチの部屋

 ネヴァ川側にあるこの展示室には、「リッタの聖母」と「ベヌアの生母」の二大名作が展示されています。

 2枚の絵は小さく、窓際にある衝立の中にそれぞれ収められています

リッタの聖母 1490〜91年

  静寂の中に透明感のある輝きを放つ聖母マリアとイエス・キリストが描かれたイタリアルネッサンスの傑作で、

  イタリアのリッタ公爵が1865年に購入したのでこう呼ばれている。

ベヌアの生母 1478年

  若き日の作品で「花を持った聖母」とも呼ばれ、静寂を特徴とする「リッタの聖母」とは異なり、生き生きとした躍動

  感が特徴。

  1914年、サンクトペテルブルグのベヌア家が購入したために、こう呼ばれるが、このように題名のない絵が、購入者

  の名で呼ばれることもある。

            

ラファエロの回廊

 エカテリーナ2世がヴァチカン宮殿のイタリア人画家ラファエロの作品をコピーして造らせた美しい回廊。

 天井・壁面・支柱・扉などあらゆる所に配された絵画や装飾の美しさに目を奪われました。

ラファエロの間

 名作2点、いずれも小さい絵なので、見物客が多く見るまでに時間がかかりました。

 

 コネスタビレの聖母 1503年

  1870年フランス・ベルージェのコネスタビラ家からアレクサンドル2世が妻マリアのために購入したラファエロの聖

  母像。

  もともと絵と額縁は一枚板でできていたが、現在展示されているのは1881年に絵の部分を板から亜麻布に移したもの

 聖家族 1506年

  幼児イエスと、その両親マリア・ヨセフの家族。画題として著名。地上における三位一体を象徴する。神聖家族。

          

ミケランジェロの部屋 

 ルネッサンスが生んだ巨人の一人ミケランジェロ(1475-1564)の名作は、ほとんど全てがイタリアにあリます。

 『うずくまる少年』はエルミタージュにある唯一のミケランジェロの彫像です。 

着替えの間         

 アレクサンドル2世のために造られた部屋の一つ。夫人用の私室。

 赤を基調にした部屋で壁や天井に鏡がはめ込まれていました。

  

黄金の客間

 壁全体が黄金色の金箔で覆われたホール。その雅やかさはエルミタージュ随一とか。

 エカテリーナ2世が集めた宝石を展示、彼女は「石の病に犯された」と語るほどカメオ好きだった。

孔雀石の間

 プロイセン王女でニコライ1世の妃となったアレクサンドルの客間。柱や暖炉が見事です。

 部屋を彩るのは、ウラル地方の孔雀石を寄せ合わせたモザイクと黄金。

  

ゴールデンルーム

 午後3時からは予約制の『ゴールデンルーム』を、学芸員の案内でガイドが通訳して観賞しました。ここは撮影禁止です 

 農夫が偶然発見した金銀財宝や墳墓の出土品、世界各国からの贈り物等など・・・ 

 金製の鹿 紀元前7〜6世紀 コストロムスカヤ近郊の墳墓より出土、鹿が神々の中で重要な意味を持っていたと考えら

 れ、鹿を表わしたものが多く見られる。 

 金製の櫛 紀元前4世紀ソローハ遺跡出土、櫛ははギリシャ神殿のような形態で櫛の歯は円柱のようであり、その上で戦

 っている兵士は神殿の破風のようにも見える。

 煙草入れ・東洋の石(18世紀)、無類の宝石愛好家エカテリーナ2世のため、7500ルーブルで購入された。

 宝石箱(1533年)

 皇帝のレガリアの模型(1900年)  

      *  

 これでエルミタージュ美術館の第1回観賞を終えましたが、今晩はバレエ観賞があり早めに夕食を摂るためホテルへと戻

 りました。



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