横浜市青葉区の三世代同居の一軒家を舞台にした、山田洋次監督作品を観ました。
以前にもさらっと観たことはあったのですが、今回は件ちゃんと観ました。
そもそもちゃんと映画を観るってどういう事?と言う疑問はさておき、感想は
『面白かった』です。
『文学は面白ければ良い』と同様
『映画は面白ければ良い』だと思います。
結果、時間が経っても、作られた時代と違う時代の人が観ても面白ければ、名作とされるわけです。
でも作った当時は、同時代の人に観てもらってお金を稼がなくちゃならないわけです。
『ロードショー公開やDVD販売、テレビ放映権などの目処もたつ作品にします!』と、プロデューサーが宣言しないと制作費は集まらない。
ギネス記録を持っている『男はつらいよ』シリーズでさえ、山田洋次監督は一作で終わると考えていたそうです。
『家族はつらいよ』は続編も作られています。
山田洋次監督作品だからというのもあるのでしょうが、それにしても火柱が上がったり、猟奇殺人が起きたりしないストーリー展開なのに(笑)、続編まで作っちゃうなんて大したものです。
テレビドラマで取り扱いやすい題材をお金と時間をかけて名監督が作るのですから、セットの作り込みがすごい。
新潟土産にもらった柿の種の缶が、キッチンの棚の高い所に置いてあるのが、イマイチのピントだけれどチラッと見える。
この家の人達は、その缶を捨てずに再利用する事を良しとしているんだなぁ。
そう、缶って、捨てられないんだよなぁ。
中身は食べても、しばらく何かに使えないかとっておいたりするんだよなぁ。
そして気が付いた時には、錆びていたりして、、、、
自分と似ているんだなぁと思った瞬間、その映画を身体全身でギュッと強く抱きしめた事になる。
文学も映画も人間をきちんと描いた作品が名作になり得る物だと思うのです。
我々が日頃臨書する作品は、かなであれ漢字であれ、それぞれに文学的内容が含まれているものばかりです。
そこに想像力を触発され、自分の物語と繋がった時、作品の持つ本質的なエネルギーに触れる事ができるのだと思うのです。
その状態で筆を走らせれば、書き手の追体験と共に、新たな創造が展開されていくと信じているのです。