すかいらーくと過労死遺族との２０１０年職場改善報告会

（上の写真＝報告会で職場改善を訴える過労死遺族の中島さんと前澤さんら）

～すかいらーく２０１０年職場改善報告会～
長時間労働・サービス残業・パワハラ・過労死を職場からなくそう！

すかいらーく過労死遺族の中島晴香さんと前澤笑美子さんに対する、株式会社すかいらーくによる２０１０年の職場改善報告会が７月２８日、私たち全国一般東京東部労組の事務所（東京・葛飾）で開かれました。会社側は笹村人事部長ら３人、遺族側は中島さんと前澤さん、組合スタッフら４人が出席しました。

報告会は、すかいらーくの店長だった夫を過労死で亡くした中島さん（「過労死をなくそう！龍基金」代表）と支援している東部労組と会社との３者で０６年７月に合意した文書にもとづくものです。毎年夏にすかいらーくの職場がどれだけ改善されたかを遺族側がチェックするために設けられました。昨年からはすかいらーくの契約店長だった長男を過労死で亡くした前澤さんも出席しています。

この日の報告会の冒頭、中島さんはこう切り出しました。「なぜ毎年毎年、報告する人が変わるのか。過労死を出した当時の伊東社長をこの場に出席させるようずっと求めているのにどうなっているのか。主人を失って６年たつが、家族の傷は癒えていない。それなのに過労死を起こした側は姿も見せずにさっさとバトンタッチするのは許せない」。前澤さんも「仕事の引き継ぎはできても、心まで引き継げない」と訴えました。

これに対して会社側は「伊東社長はすでに退社しているが、遺族の意向を社内に持ち帰って検討し、２週間をめどに会社の考え方を回答したい」と話しました。

その後、会社側が提出してきた報告書（９ページ）をもとに協議しました。それによると正社員（４０９０人）の平均の超過時間は月２０時間前後と減少傾向にあるといいます。しかし、このデータはあくまで会社が新設したバーコードによる時間管理にもとづくものです。そもそも時間管理が正確に行われているのかがもっとも重要な問題です。

実際、私たち東部労組のもとには現在もバーコードで打刻した後に残業をやらされているという相談が寄せられています。こうした「抜け穴」こそ長時間労働やサービス残業はもとより過労死の温床になっているのだと指摘し、不正打刻（＝労働時間の改ざん）を命令した上司への処分基準などの対策を確立するよう会社側に求めました。

さらに遺族側は平均ではなく月８０～１００時間という過労死レベルの長時間労働をやっている社員がどの程度いるのかがわかるデータの開示をはじめ、有給休暇の消化率、労災申請・認定数、店舗営業時間の推移、本社窓口への労務に関する相談の傾向がわかるものを提出するよう要求しました。会社側はいずれも２週間後にあらためて回答するとのことです。

ガスト、バーミヤン、夢庵、グラッチェガーデンズ、藍屋、ジョナサン、小僧寿し……すかいらーくグループで働いている社員・準社員の皆さん！すべての職場から長時間労働・サービス残業・パワハラをなくし、３人目の過労死を絶対に出さないよう私たち遺族と一緒に声をあげてください。

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中島さんが代表を務める「過労死をなくそう！龍基金」の第４回中島富雄賞授賞式が以下の通り開催されますので、ぜひ多くの方の参加をお願いします。

－過労死をなくそう！龍基金－
第４回中島富雄賞授賞式

第１部　過労死の企業名公開裁判の原告である寺西笑子さんへの授賞式
第２部　宇都宮健児さん（反貧困ネットワーク代表・日弁連会長）の記念講演
第３部　懇親会

日時：８月１日（日）午後２時（開場１時半）～午後５時
場所：かつしかシンフォニーヒルズ別館５階「レインボー」（京成「青砥」駅から徒歩５分・地図）
参加費：無料

申し込み・問い合わせ：ＮＰＯ法人労働相談センター内「過労死をなくそう！龍基金」事務局（電話０３－３６０４－１２９４、ファックス０３－３６９０－１１５４、メールinfo@toburoso.org）まで。