
全国一般東京東部労組は、今年の「かつしかさくら祭り」中止決定にあたり、以下の声明を発表しました【写真は昨年のさくら祭り】。

=========================================
<声明>
「かつしかさくら祭り」の中止に反対!
自民党の圧力に屈さず、忖度せず、祭りの継続を!
2025年3月9日
全国一般東京東部労働組合 執行委員会
「かつしかさくら祭り」の中止に反対!
自民党の圧力に屈さず、忖度せず、祭りの継続を!
2025年3月9日
全国一般東京東部労働組合 執行委員会
毎年恒例の「かつしかさくら祭り」を今年は中止にすると、連合葛飾および葛飾区職労が中心でつくる実行委員会が決定したことに対し、これまで協賛団体として毎年の祭りに協力し出店してきた私たち東部労組は反対を強く表明し、祭りの継続を訴えます。
1.中止決定に至った事実経過
昨年の祭りのオープニングパレードにおいて自民党の裏金問題で渦中にあった地元国会議員の平沢勝栄氏が実行委のはっぴを着て先頭で行進してきた際、私たち東部労組と葛飾区労協のメンバーがそれぞれ出店しているテント前で「裏金議員はやめろ!」のプラカードを掲げ、肉声で抗議のシュプレヒコールをあげました。
実行委によると、後日、自民党の一部区議から葛飾区の総務部に対して「区がお金を助成している祭りであのような抗議が許されるのか。抗議した団体にペナルティーを加えるべきだ」という趣旨のクレームが寄せられました。これを受けて葛飾区職労に対し、区当局は「このようなクレームがついた。主催者としてどうするのか」と迫りました。
今年2月3日に行われた第1回実行委員会の場で「祭りにあのような政治行動は持ち込まないでほしい」という意見を連合葛飾の野口議長が初めて公の場で表明しました。名指しこそしなかったものの東部労組と葛飾区労協の抗議を指しているのは明らかだったため、両団体は野口議長と面会し「裏金議員への抗議は当然だ。選挙を控えた政治家の平沢氏をパレードの先頭に歩かせる方こそ政治的ではないか」と反論しました。
そうした中で実行委は2月21日付で「開催趣旨の徹底」と「安全確保」を理由に今年の祭り自体の中止を協賛団体に通知し、3月3日に報告説明会を実施しました。
2.中止決定の問題点
第一に、私たちが問題にしたいのは、祭りへの自民党の一部区議による介入があったことです。
区の予算審議・採決に関わる区議という立場で、平沢氏に抗議した当該団体ではなく、行政当局にクレームをつけるというやり方は圧力そのものです。
そもそも平沢氏がみずから犯した巨額の裏金問題で区民から批判の声を受けるのは当然であり、それを反省するどころか反発してペナルティーを科そうという姿勢自体が恥知らずと言うしかありません。
第二に、行政当局の対応にも問題があります。
かつしかさくら祭りは、区が一定の支援をしつつも連合葛飾と葛飾区職労が中心となった労働組合の春闘期の祭典として、私たち連合系以外の労働組合や地域の諸団体にも開かれた形で30年以上続けられてきました。あくまで祭りの主体は労働組合です。
それを使用者である区当局の立場で、自民党区議からのクレームの「伝言」という形を取りながら職員団体に対処を迫るというやり方は自由な組合活動への不当な干渉行為です。
第三に、連合葛飾・葛飾区職労の問題です。
今回の経過の中で、「平沢氏をパレードさせることがおかしい。仮に平沢氏が個人として祭りに来たとしても、主催者としてはっぴを着させずにパレードさせなければいいではないか」という当然の声がありました。しかし、実行委が検討した結果「それはできない」という結論になったとのことです。
報告説明会で、このことを問われた葛飾区職労は「忖度(そんたく)があったと言われれば、そうかもしれない」と答えました。
また、「安全確保」を主な中止理由にしていますが、昨年の私たちの抗議行動では何のトラブルも起きていません。そのことは連合葛飾の野口議長も認めていますし、実行委からの注意もまったくありません。
他に安全面での不安があるのかを実行委に報告説明会で尋ねましたが、具体的な根拠を一切示すことなく、「祭りの中で巨大なデモがあちこちで起きるかもしれない」などという非現実的な想像を述べるのみでした。
仮にそのような事態が起きたとしても、憲法が保障する思想・信条の自由や表現の自由として許容すべきことです。危険な行為が発生した時には個別具体的に対処すればいいだけです。
このような意見に対して実行委は報告説明会で通知文には記載されていない「費用の高騰」など新たな理由を後付けで加えてくるなど、とにかく「中止」という結論ありきの姿勢でした。
3.私たちの見解と要求
要するに今回の経緯は、まず自民党の一部区議からの圧力に端を発し、行政当局がそれに事実上従う形で区職労に対処を迫り、さらに連合葛飾・区職労が毅然とした対応を取ることなく祭り自体を中止する形で主催者としての責任を完全に投げ出してしまったという構図です。
自分たちの立場や利益を守るためであれば、多くの区民が楽しみにしているイベントが実行不可能になっても構わないという自民党・行政・実行委の考え方に強い憤りを感じます。
また、協賛団体との相談や協議を一切することなく、祭りの中止という重大な決定を実行委の一部役員のみで下すやり方も労働組合にあるまじき非民主的な行為と言わざるを得ません。
報告説明会では他の協賛団体も含めて約3時間半にわたり祭りの中止に反対する声が相次ぎましたが、実行委側は「中止はすでに決まったこと」とくり返すのみという不誠実な対応でした。
私たちは実行委に対して、正当な理由がない祭りの中止決定を撤回し、今年の祭りを開催するよう要求します。さらに来年以降もこれまでの枠組みで祭りを継続するよう求めます。加えて、今回の中止決定に至った正しい経過と理由をすべての区民に開示するよう求めます。
連合葛飾および葛飾区職労のみなさん!
私たちはあらゆる圧力に最後まで闘う決意です。ぜひ、みなさんも勇気を奮ってともに声を上げてください。
すべての区民のみなさん!
地域伝統のかつしかさくら祭りを守るための運動を私たちとともに進めるよう心より呼びかけます。
以上