■呼吸は精神的影響を受けると自然に浅くなります
脳は他の臓器より10倍酸素が必要ですから、呼吸が浅くなると、十分に脳へ酸素が行き渡らなくなり、頭がぼんやりしたり、眠気がおきます。
また逆に自律神経が乱れ、緊張を司る交感神経が優位になり、不安や焦りに陥ることも
呼吸が浅くなることで、血流が悪くなり、免疫力低下し病気になりやすくなります
■呼吸の仕組み
★目的
エネルギー生成に必要な酸素を大気から血液中にとりこみ、細胞の代謝により血液に排出された二酸化炭素を体外に出す
この働きは血液と、循環器系の協力で行っています
★呼吸数
1分15~17回
★4つのステップ
※換気
大気と肺の中との空気の入れ替え
※ガス交換(肺と血液)
肺に入った酸素が血液中に
血液中の二酸化炭素が肺に
拡散
※ガス運搬
肺から血液に拡散された酸素を
細胞まで運び
細胞から出された二酸化炭素を肺まで運ぶ
※ガス交換(細胞と血液)
運ばれた酸素は細胞内にとりこまれ
二酸化炭素が血液に出される
■呼吸指令
呼吸は自分の意思でコントロールできるし、意識がない睡眠中にも絶えず呼吸を続けられる。それは脳幹の延髄から呼吸筋に絶えず呼吸指令が出ているから
■血液監視
延髄は血液中の酸素が不足しないよう、二酸化炭素がたまらないように指令しているのだが、
血液中の酸素と二酸化炭素の量は、動脈と脳の受容器で監視され、その情報は延髄に送られ、延髄が呼吸指令している
監視される血液は、肺でガス交換受けた動脈血。この血液が心臓に戻り、心臓から生命維持に重要な脳に送り出す前に監視している
脳に酸素が少ない血液が流れてしまっては遅い
■血液監視受信器
★頸動脈小体
大動脈弓から分岐する総頸動脈は、脳組織を養う内頸動脈と、頭部の皮膚や筋を養う外頸動脈に分かれる
この分岐点に小粒ほどの小体があり、これを頸動脈小体といって
【血中酸素監視受信器】である
★大動脈弓の大動脈小体
中枢と離れたところで、化学成分であるガス量を監視する
【抹消化学受信器】
これらの血中酸素減少情報や、血中二酸化炭素増加情報が延髄に送られると、呼吸指令が呼吸筋に送られる
そして呼吸が増え酸素供給
延髄は【中枢化学受信器】
★気管支と肺胞
肺が正常に働いているかの情報をキャッチする【肺胞伸屈受信器】
■鼻孔
★粘膜で覆われている
★空気は粘膜を通る血流で適度に温められる
★空気は粘液で適度に加湿される
★異物は粘膜に付着し、粘液と共に咽頭を通り胃液で消化され、体外に排出される。異物の刺激が強いと咳・くしゃみで体外に排出
■咽頭→喉頭→気管
★気管にもせん毛のはたらきで、埃を含んだ粘液を咽頭の外へ追い出す
このように異物は肺に入らない
■気道
十分に浄化・調節された空気は粘膜気管支を通り、肺門へ
気管の長さ10センチ
太さ2センチ
左右気管支に分かれる
1本の気管支は2つずつ分岐を繰り返し肺胞へ向かう
■肺
★肺には膨らむ能力はない
ゴム風船のようなもの
縮まろうとする
だから肺は自発呼吸か、人工呼吸機を使わないと膨らまない
★肺は呼吸筋(横隔膜・助間筋)に囲まれた、胸郭の中にある
★肺には膨らむ力は無く、胸郭の容積の変化によって動かされる
★胸郭の容積を変えるのは呼吸筋(横隔膜・助間筋)
呼吸筋が働かなくなったら自発呼吸ができなくなる
★そして呼吸筋を動かすのは、延髄にある呼吸中枢の命令
【吸う】
呼吸中枢から呼吸筋に「収縮命令」が出される
↓
腹の臓器に押され、上に上がっている呼吸筋(横隔膜)が、「収縮命令」によって下に下がる
↓
胸郭容積が縦方向に増す
↓
呼吸筋(助間筋)が収縮して、助骨が上に上がる
↓
胸郭容積も左右前後に増す
↓
胸郭容積が増え圧力低下
↓
胸郭は圧力を戻すため
肺を引っ張って
容積を減らそうとする
↓
肺は引っ張っられ、膨らまされ空気が入る
【吐く】
横隔膜が緩み、横隔膜は上へ
助間筋が緩み、助骨は下へ
胸郭容積が減少
肺を引っ張る力が働かなくなる
圧力が上昇し
肺を圧迫し
肺はゴム風船のように空気を押出し縮む
■血液によるガス運搬
肺胞から拡散した酸素のほとんどは、赤血球内のヘモグロビンと結合し、酸素化ヘモグロビンとなって運ばれる
■呼吸の最終目的地【細胞】へ
細胞組織で、ヘモグロビンから酸素が放出され細胞へ
■二酸化炭素を運搬
細胞から放出された二酸化炭素のほとんどは、赤血球内にある炭酸脱水酵素の作用で水と結合し、炭酸となり、重炭酸イオンと水素イオンに解離。重炭酸イオンの形で赤血球の外へ拡散し、血漿中を運搬
↓
肺胞で重炭酸イオンは二酸化炭素に戻るため、また赤血球内に入り、再び水素イオンと結合し、炭酸になり、さらに水と二酸化炭素に分解され、血液から肺胞に拡散
■毛細血管
酸素を運び終えた毛細血管内の血液には、老廃物である二酸化炭素がたくさん含まれている。
★肺胞近くの静脈血の酸素分圧40
二酸化炭素46
★肺胞中の酸素分圧100
二酸化炭素40
↓
酸素は肺胞と同じ100になるまで、酸素分圧40の静脈血に移動し動脈血になる
ただ酸素を受け取らない回路もあるので、実際は95~97
二酸化炭素は分圧46の静脈血から、40の肺胞に移動し、肺胞と同じ40になるまで移動し動脈血へ
■酸欠
血液中の酸素が不足したり、細胞への酸素供給が十分でないと、人体に致命的な影響を及ぼす
脳は15秒無酸素状態で失神。3分以上で回復不能な障害をもたらす。5分で脳死
一酸化炭素は酸素より250倍赤血球に結合しやすい。肺胞に入ると酸素供給とヘモグロビン結合が妨げられ酸欠に
■血液浄化する腎臓
血液は肺で二酸化炭素を放出し、酸素を受けとるが
血中にはさまざまな物質が溶けこんでおり、腎臓は血中成分から体内に必要なものを残し、不要物を水に溶かし尿として排出する