日本人としてのアレ。

通りすがりで会ったなら、その出会いを大切にしたい

『脳内OS わごころ2012の開発秘話』

2012-02-24 | その他
僕の頭の中に搭載されているオペレーション・システムは、秘密の製品。

2010年の夏に発売されたモデルの物だ。

僕がなんで脳内にOSを入れているか?と聞かれたら、それは僕が某秘密結社の人間だからだとしか言えない。

活動内容は、始発前に最寄り駅のロータリーを掃除したり、道に迷った人の為に一日中、交差点に立ってたりする。

中々、ツラい。

だから、そのOSを入れている。

そのOSの名前は「わごころ2010」と言う。

わごころ2010を入れていると、道行く人の気持ちが手に取る様に分かる。

人の気持ちがハッキリと分かるようになるのだ。

他にも、物凄く頭の回転が上がる、コンビニで買い物をすると、自分が手にとった商品の合計金額、もちろん消費税まで即座に計算できるようになる。

しかし、試作品段階の「わごころ2010」。

なぜ、「2011」が制作されないかと言うと、2010で色々なバグが出たからだ。

人の気持ちが分かりすぎるあまり、僕の同僚の佐々木は、人通りの多い交差点で「あっちです!!こっちです!!いや、そっちじゃありましぇ~ん!!!」と、叫び続けた。

警官が取り押さえた後も、何かの呪いのようにブツブツと言っていたと聞いている。

他には、自殺者も出た。

2010年末までには、被験者の半数が死んだ。

それでも、実験を止めるわけにはいかなかった。

汚れた白衣を着た牧野博士は、いつも「今の日本人は、日本人じゃない、私の『わごころ』で、日本を変えるんだ」と常に言っていた。
スターバックスで、その話しを熱弁された時に、隣のOLの視線が痛かったが、牧野博士には言えなかった。

僕が、死んでいないのは運がいいだけだろう。

症状は出ている。

一日中、「わごころ2010」を使いながら動かした自分の脳を、シャットダウンさせるには、かなりの時間を要した。

毎日の様にすぐ寝れないのだ。

寝起きはいい、素晴らしく寝起きは爽快なのに、寝付きは非常に悪かった。

牧野博士に、それを言うと、「冷めてないんだね・・・」と言って、博士以外は立入禁止のラボに入っていった。

そして2011年は、牧野博士は一度も自分のラボから出てこなかった。

ラボのドアの前には、排泄物が溜まった青いゴミバケツと宅配ピザのゴミがいつもあり、土曜日だけは、中華料理を頼んでいた様子だった。

そんな牧野博士から昨日連絡があって、驚いた。
一年以上ぶりに博士の声を聞いて、嬉しかったのと、なんと「わごころ2012」が完成したと言うのだ。

すぐ基地に戻って、会議室に行くと、ブクブクに太った長髪の博士が、虚ろな目でニタリと笑って「コレだよ」と言った。

長い机の上に置かれた「わごころ2012」は3mm程度の大きさで、2010年のモデルの半分の大きさだった。

僕は博士との久々の再開も他所に、「付けてもらっていいすか?」と興奮しながら確認して、返事を待って喜んだ。

8時間の手術の末に、取り付けてもらった「わごころ2012」の第一号。
今、このブログを読んでいるアナタが「こいつバカなんじゃねーの?!(笑)」と思っている事までクリアに伝わってくる。

さすが、「わごころ2012」!!!!

牧野博士の発明が成功すれば、またこの日本は生まれ変わる。

安心してくれ、皆がグッスリ眠れる日は近い。
コメント
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