人生を癒す 百歳の禅語を読んで -5-
*「眼横鼻直」
「道元」日本曹洞宗の開祖1200年生まれ。曹洞道元禅を伝えた人物。
道元は24歳の時、宋に渡り4年間滞在し1227年28歳で帰国した。
4年間の修行で何を学んでこられたのですか、と問われると「眼横鼻直なることを認得
し、郷に還る」と言ったそうです。
日本から留学した、古くは伝教大師・最澄・弘法大師・空海という修業者は、貴重な
仏像や、文献の経典を土産に持って帰ったのです。
眼は横に鼻は縦に、と言うのはあまりにも平凡な事ではありますがその平凡な事がいか
に厳粛な真実であり、いかに真理というものを持っているかということなのです。
北原白秋の詩に「バラノ木に バラノ花サク ナニゴトノ不思議ナケレド」という詩が
あるそうです。
コトワリ
岡本かの子の詩「梅の木に梅の花咲く理をまことに知るはたやすからず」。
「理をまこと知るはたやすからず」つまり安直に考えてはいけない。当り前の道理が
本当に当り前の道理だと知ることは容易なことではない。と歎じている。だそうです。
*「仏性」
ソナ
「仏性」は誰にでも生まれながらに具わっている。
「具わりて 目鼻耳口ある顔を われも持つことに思いいたりぬ」笩井嘉一。
この「思いいたりぬ」という感歎の言葉、本当に心の底から「ああ、生まれながらに目
鼻耳口が自分にはちゃんと具わっていたんだ」生まれた時から見ている、これを「本具」
と言いますが、仏教思想では、仏性は(人を人であらしめる根源的な命、心)が具わっ
ていると言います。
仏性は本具。人間は生まれながら皆仏になる可能性を持っている。これが仏性というこ
となのです。と言っています。
*成人と成仏とは車の両輪
「仏に成る」ということは「死ぬ」ことではなくて「「人間性を完成する」ことです。
生物学的に成長するのが成人。価値的に成長するのが成仏と思う。だから成人と成仏は
車の両輪のようなもので、この二つが具備して人間は完成するのです。この仏になる可
能性をみんな生まれながらに持っているというのが仏教の人間観であり、人生観です。
これは人間に限らず、すべての生き物は皆平等に仏になる可能性を生まれながらに具え
ている。
「仏性」というのを「そのものを、そのもたらしめる根元的な心(命)」と言います。
「そのまたらしめる根元的な心」は、そのものが具えている機能に当たるという。
それぞれ生まれながらに具わっている、その機能を完成することが「成仏」と言うこと
なのです。成仏とは死んで仏になるのではなく、そのものが持っている機能を完成する
ことなのです。 と教えています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます