「幸せのために」という話を読みました。食品会社の会長の話です。
会社経営の大切なことは「フアンづくり」です。お客様ではなく「フアン」、日本語で信者とも言います。
「儲」かるという字は信者と書きますから、会社が儲けたかったら信者を作らなければいけない。
たくさんの信者が居たら会社は安泰です。では、どうしたら信者になってくれるのか、これを何時も社員に
考えさせています。
それにはまず、尊敬される会社にならなくてはいけません。ではどうするか。そもそも倒産したら当然なんにも
なりませんから、いつでも良い状態で永続しなくてはなりません。社員教育をして、社員一人一人が世の中の為に
なるような行動をしなくてはなりません。まずは会社が美しくなければ誰も尊敬しないでしょう。
だからまずは掃除です。業者に頼んで綺麗になっているのでは、誰も偉いとは思ってくれません。自分達でやらね
ば意味がない。
経営も同じです。単に儲ければよいのではなく、もう少し哲学的な経営論を持つことです。有名な松下幸之助さんや
京セラの稲盛和夫さんは若いころ肺結核を患っています。若いころに生死の問題と向き合うことはとても大事なこと
だけれどもなかなかそれは出来ません。しかし教育の根本はやはりその辺にあるのだと思います。
昔の教育は、どう生きるかとか人生はたった一度とか、道徳にかなり力を入れられていましたが、今はあまり教えら
れていないのでしょう。知識とかスキルを教えるのが教育だと勘違いしている。
会社の経営も同じです。会社は利益を上げるのが目的と思っている人がずいぶんいますが、全く違います。
私は、人間の営みのすべては幸せのためにあるという結論を持っています。勉強会を開く、学校を作る、お寺をつくる、
会社を作って商売をする、そんな人間の営みは全て幸せのためにやっているのです。皆が幸せを求めている。
にもかかわらず人間の営みの最大のものと言われる経済活動の中で、倒産があり、首きりがあり、移転があり、いろいろ
なトラブルが起きて不幸な人がたくさん生み出されているというのは一体どういうことなのか。
ですからこの会社は、たとえ大きくなっても上場はしないと決めました。上場しなくても、みんなが幸せになれる会社を
つくれば、それでいいのです。
会社は「利他」をしなければ上手くいきません。他人のため、地域のため、世の中のためにつくしていくことです。
社員の幸せを通じて社会に貢献していくことが、企業のあるべき姿だと考えています。
途中割愛してありますが、経営者としての心得を再考する言葉でした。