「癒しの禅語」 ひとりきたりひとりさりひとつもしたがうものなし
独 来 独 去 無 一 随 者
執着という空しさ
私達は、たった独りで生まれ、独りで死んでゆきます。人それぞれに
人格があって、それぞれの人生があり、誰もそれに従ってくれる人は
いません。そして、私達は死ぬときに何かを持って行くことも出来ま
せん。それでもなお自分の持ち物に執着してしまう人に、その空しさ
を説いた言葉です。
裕福なのに、もの惜しみする気持ちが強く、他の人には施さず、財に
執着する人間は、人生の最後に頼れる者もなく、ついてきてくれる人
もいない、と論します。
「ビジネスの世界ではカネがすべて」と言う人もいれば、「カネさえあ
れば何でも出来るのか」と言う人もいます。
お金が大切なことは誰も否定できないし、みなお金を得れために働
いています。お金や物が悪なのではなく、それに執着しすぎたときに
生まれる欲が、人間の心を荒らすのです。争い、恨み、憎しみなどが
欲から引き起こることを、私達はよく知っています。
どんな大富豪でも、死ぬときはその財産を持ってゆくことは出来ませ
ん。結局はもっていけないものに執着するのは空しいことです。
人が死んであの世に持っていけるのは、人生で積んできた業(ごう)と
徳(とく)だけなのです。
執着心はすべてに災いの元です。すべてを失くす元凶です。欲は誰に
でもあります、欲がなくては生きていけません。しかし、貪欲にならず
自分に合った欲で良いのです。1Lのコップには1Lしか入らないので
すから。
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