斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

お昼休みの桜

2012年04月27日 12時54分05秒 | 長岡技術科学大学の広報
そろそろ世間は桜あきしてきたかもしれませんが、本学の今年の桜はたいへん見栄えがよく、まだまだ余韻に浸っています。
先日より更に性能の良いカメラで撮影しました。
  

留学生も桜の花の下で思い思いの写真を撮っていました。
 

もう少し桜は持ちそうですから、あすとあさってもぜひ見に来てください。

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水難救助

2012年04月27日 00時01分43秒 | 水難・ういてまて
ある方から質問が来ました。「水上安全法講習会を受講するとしないで何が違うか?」
1.空想と現実のギャップを知ることができる
2.入水救助に絶対的に必要である、立泳ぎを中心に救助実技を組み立てることができる

この二つですね。私自身、水上安全法講習会を受講して30年たちました。水上安全法指導員としては25年がたちました。その間にほんものの入水救助は何件か経験しています。
そもそも本当に入水救助が必要な場面は、目の前で溺者がすっと一瞬で沈んだときで、「いま溺者を水面に戻し呼吸を確保できれば大事に至らない」という場合のみ。もちろん沈んでしまっているので、入水しない救助は不可能です。

入水して、まず立泳ぎで自分自身の呼吸を確保できるか?水着状態でも立泳ぎのできる人はそうそういません。それに加え着衣で靴まで履いていたら、訓練していなければ絶対に無理。さらに水温が低い(たとえば17度以下)では冷水反射で呼吸が乱れる。10度以下なら、数分で筋肉の硬直と激しい痛みが始まる。冬の冷水に手を入れたときを思い出してください。あれの全身版です。

百歩譲って、立泳ぎで呼吸が確保できる人。潜水して沈み行く溺者に水中でアプローチしなければならない。そしてその溺者を確保して、水面まで浮上しなければならない。意識のない溺者を水面に確保し、溺者と自分の浮力を立泳ぎで確保しなければならない。


「着衣で靴を履いて自分と溺者の浮力を立泳ぎで確保する」、一度水上安全法講習会で体験してみてください。本学の水泳部の学生でもいきなりできる学生はほとんどいないのです。もちろん、それから訓練して毎年スキルをあげていくとできるようになります。これが講習会を受講する意味です。

空想が好きな「自称水難救助の専門家」は、「浮き具をもっていけばよい」といいます。


沈みゆく溺者を確保するのに、浮力体を身に着けていたら潜水できません。救助できません。ほんとうの救助現場で活動したことないのでしょうね。

こういう現実の水難現場を変えるのが着衣泳です。溺者が着衣泳の技術を使って浮いて待てば、周囲の人に119番通報の余裕が生まれます。陸上から浮き具やロープを使って救助を受けるチャンスが増えます。水難現場において「溺者が主役」になる考え方に向かって社会が動こうとしています。


救助隊のように訓練している人が入水救助するときに浮力体を身につけてより安全に救助することも可能になります。(ポリ袋だけを手に持って飛び込むような危険きわまりない救助は絶対にやらないし、市民に教えてはならない)さまざまな人のとるべき行動が大きく変わっていきます。

いよいよ水難のシーズンに入りました。今日も新聞社からコメント取材がありました。出鱈目のない、根拠に基づいたコメントを出すように心がけます。

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