斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

テレビも気を付けないと

2017年01月02日 12時02分14秒 | 斎藤秀俊の着眼
放映とその制作にかかわる皆様に届くかどうかわかりませんが。

水には多くの人が関心を持ちますし、どこか、なにかしら、危険という認識を潜在的にでも持っています。テレビで放映されると、百万人単位の人が見ますから、改めてその危険性を認識して大騒ぎになるわけです。だから、私の場合は、映像撮りをするときには最新の注意を払いますし、実技は大袈裟には決してせず、要点だけを一瞬だけ、的確に撮影してもらうように、注意します。

「専門家の指導のもと」というのは、それなりにリスクを減らす工夫にもなるので、ぜひ適切な専門家の意見を取り入れていただければと思います。

大きなお世話かもしれませんが、水に関する事柄については、バラエティー番組ばかりでなくて、報道でもぜひその点は注意してください。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

逆飛び込みの危険性について

2017年01月02日 10時45分09秒 | 斎藤秀俊の着眼
どうも、テレビ放映で危ない場面があったとか。
少なくともWEBを見ている限りでは、素人ばりの解説が満載ですので、ちょっと一言。

陸からの入水には様々あります。それによって入水深さなどいくらでも変わるので、何が危なくて、何が危なくないかという点で言えば、入水には必ず危険が伴います。そんなの当たり前ですけれども。

そのリスクを承知して、競泳でも、ういてまてでも、入水を行います。競泳ではこれまでの苦い経験から注意事項が喚起されているし、ういてまてでは、特にしっかりと実験を行って思い当たることは全部確認しています。

実験結果はどうかというと、5mの高さから飛び込んでも1mも潜らないようにもできますし、3m以上いっきに潜ることもできます。

ポイントは真っ先に入水する腕の先端の方向あるいは脚の先端の方向にあります。先端の方向が極端に下に向かなければ、100cmくらいの深さなら大きく騒ぐほど危険性は高くありません。最も怖いのは、気を付けの姿勢で頭から飛び込むときです。これをすると、姿勢が自然と頭を下げて飛び込むことになり、そのままプールの底に頭を打ち付けて、同時に頸を痛めることになります。上半身の方向が水底に向かうから当然の結果です。

脚から飛び込む際に、素人は腰が曲がって脚が前方に少し出たような格好になり、そうなると高いところから飛び込んでも水中を横方向に動くことになり、ほとんど潜りません。脚の方向が斜め入水になるからです。

こういったデータをたくさん持っていることが原因かどうかわかりませんが、これまでいくつかの裁判にかかわってきました。入水の仕方というのは、心証に重大な影響を与えます。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする