三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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ナンセンス系8

2006-09-19 02:32:36 | モンスター映画
 ■自由の幻想■ 終わりまで通して出てくるキャラクターって結局一人もいないのね。尻とりゲームっぽくどんどん変わってくテンポが心地よいし、ナンセンスッつっても完全に羽目外してるわけじゃなく微妙に狂ってる按配がよかったな。微調整ナンセンスっつか。トイレと食堂の逆転シーンで人口問題を食料じゃなく排泄量で論じてたあたりとか、失踪した子どもを捜す見え透いたコントと、あの2箇所が突出してわかりやすい論理ナンセンスになってて、全体のナンセンス度がちっともバランスとれてないままズルズル行くのも素晴らしいやね。自由をなんたら言ってたウロボロス的終わり方はまあもうちょっとな~とは思ったけど、定型をこれだけ外してくれた高級ナンセンスは珍しい。一つ見失っちまったんだけど、ビルの窓から市民を撃ちまくってたおっさんって、あれ癌宣告受けたオヤヂと同一人物だっけか? それだと自分の命も娘の行方もわからなくなって自暴自棄って解釈が成り立つかと思ったんだけど、全体あの構成だと別に誰が誰でもどうだっていいやな。面白さに変わりありません。
 ■ロスト・ハイウェイ■ ふーん……。こんなんで「これぞデイヴィド・リンチ!」と喜ばれるなんて、リンチであることも楽なもんですね。ダークな雰囲気は面白いしラスト近くの小屋のあたり霧の演出は眺めてるだけでボーッと陶酔できたものの、全般いかにも安易。安易すぎ。意味わかんなくしときさえすれば芸術的で通るよね式、低レベル観賞者向けアピールの狙い見え見えっぽくてさ。つまりね、しょせん意味不明であることが、というか意味わかんなくてOKですよってことがこれだけハッキリしちゃってると高レベルの観賞者には物足りないってことです。もうちょい、「意味わかんないけどわかるべき意味あるのでは?」式にスレスレでやってほしかったよ。「俺ら夫婦の寝姿撮ってるやつがいる!」ってミステリータッチでせっかく始めたわけだしさ。早い段階で露骨ナンセンスに混ぜっ返しちゃったのは惜しかったと思うよ。ラストで無理にウロボロスにしたところで、今さら意味ありげにゃ思えませんでしたし。
 ■スーパーカミング■ なーんだ。ナンセンス系に関しちゃレベル結構高い日本映画だから期待してたのに、てんで素人劇じゃないか。わざと雑に崩して味出してるつもりかな? ま、ほんの少しでも期待しちゃってえれー損しましたよっと。