テレビで英国ロイヤル・バレエ「シンデレラ」(新制作)を鑑賞した、ロンドン旅行帰国後に旅行中のテレビの録画を確認したら、ROHでのバレエ公演があったのでさっそく観たくなった
振付:フレデリック・アシュトン
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
舞台美術:トム・パイ
<出演>
シンデレラ:マリアネラ・ヌニェス
王子:ワディム・ムンタギロフ
シンデレラの義理の姉たち:アクリ瑠嘉、ギャリー・エイヴィス
シンデレラの父:ベネット・ガートサイド
仙女:金子扶生
春の精:アナ=ローズ・オサリヴァン
夏の精:メリッサ・ハミルトン
秋の精:崔由姫
冬の精:マヤラ・マグリ
道化:中尾太亮
管弦楽:英国ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団
指揮:コーエン・ケッセルス
収録:2023年4月5・12日 英国ロイヤル・オペラ・ハウス(ロンドン)
巨匠フレデリック・アシュトン振付のシンデレラが初演されたのは1948年、人気作品になったが、昨年初演75周年を記念しておよそ10年ぶりにリバイバル、舞台装置や衣装も一新されたプロダクションとなった
今回の舞台装置を手掛けたトム・パイは『となりのトトロ』のロイヤル・シェイクスピア・カンパニーによる舞台版『My Neighbor Totoro』で2023年のローレンス・オリヴィエ賞舞台デザイン賞を受賞するなど、数多くの話題作を手掛けた人
さっそく観劇した感想を述べてみたい
- 一言でいえば、素晴らしいバレエであった、そして感動した、すべてが良かったと思った
- この日の主役はシンデレラ役のマリアネラ・ヌニェス(1982、アルゼンチン生まれ英国籍)と王子役のワディム・ムンタギロフ(1990、露)であるが、二人とも今やロイヤルバレエの押しも押されぬ第一人者であるのでしょう、千両役者と言う感じであった
- 手許の記録で確認すると私が過去に観たROHでの二人の共演は、2018年の「白鳥の湖」があり、テレビ録画で観ているがその時の二人の演技の評価も高評価となっていた
- そして、もっとも目を惹いたのが日本人のプリンシパルの金子扶生(1992、大阪)である、今回は仙女で登場したが、出演場面も大事なところでけっこう多く、その長身と美貌と踊りがもう主役級の貫禄が出ていてびっくりした、現に彼女はこの演目の別の日の公演ではシンデレラを務めてたというからもうROHの看板バレリーナと言っても良いだろう、素晴らしかった、カーテンコールでは主役の二人並みの喝采を浴びていたのは当然であろう
- 道化役の中尾太亮(たいすけ、今シーズンからソリストに昇格)も非常に目立っていた、難しい役だろうが一生懸命演技しているのがよくわかった、舞台にアクセントを与える大事な役であるだけに、そのひたむきで訓練されたパフォーマンスを存分に出していたと思う、カーテンコールでも拍手が多かった
- 鳴り物入りのトム・パイの舞台装置(演出)は良かった、奇をてらったところが全くなく、オーソドックスなスタイルを踏襲していたと思う、プロジェクションマッピングなどを一部で使用しているが、それがメインではないところが良い、あえて言えば、第2幕のお城の場面だが、舞台は背景に城が見えて、その前で演技が披露される設定になっていたが、城の中の大広間で演技する方がいいような気がした、日本では急に寒くなってきたので、外より室内の方がいいと感じたのかもしれないが
- あとは、日本出身のアクリ瑠嘉(あくり るか)が女装して抜群のユーモアで義理の姉を演じていたのもよかった、彼の両親はバレエダンサーのマシモ・アクリと堀本美和であり、父のマシモは新国立劇場バレエ団でアシュトン版シンデレラの義理の姉を演じており、親子二代でこの役を演じたことになるそうだ
ロンドン旅行に行った時にこういうバレエを観たかったが、きっとチケットは取れないでしょう
楽しめました
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