僕は周囲から「猫好き」の人間として認知されている。もちろん猫は好きだし、一緒に生活もしている。でも本来、僕は犬好きの人間であり、子供の頃は犬を飼っていた。小学生の頃に飼っていた雑種の犬は、僕にとても懐いていた。最初は毎日一緒に出かけて走り回ったが、そのうち飽きてしまい、散歩に連れていかなくなった。犬は僕が学校から帰ると、喜んで吠えまくり、散歩に連れていくようにせがんだ。それなのに、僕は友達と遊びに出かけて犬を構わなくなってしまった。犬が死んだ時、そのことを思い、僕は号泣した。今でも犬を飼いたい思いはあるけど、そのことを思い出すと二の足を踏む。
今は猫を飼い、毎日ブラッシングして、おやつをこっそりとあげて、玩具で遊んだり、家の中を追いかけっこしたり。それは猫を可愛がると同時に、十分楽しませてあげられなかった犬に対する身勝手な贖罪でもある。写真の犬は、街中で見かけた人様の犬。優しい眼でこちらを見ている。僕の飼っていた犬の写真は、一枚も残っていない。その替わりといえば申し訳ないが、猫の写真は膨大な数が残り、今でも増え続けている。
LEICA M MONOCHROME(CCD) / SUMMICRON M35mm ASPH
この写真のワンちゃん、とても悲しげに見えるのですが・・・
さて、この犬ですが、なにか波長が合う感じがありました。繋がれていて、退屈そうで、遊び相手が欲しかったのだと思います。
なにか昔の自分の犬に見えて、切なくなりました。「哀しそうな」様子を見切るあたりは、凄いなと思いました。