帰りはグランクラスにて・・・のんびりぃと♪
株式相場は、このまま大きな波乱なく1年を終えそうである。まだ日経平均株価は2015年末の水準を回復したに過ぎないが、「トランプ当選なら円高で相場暴落」と真逆の結果を予想していた市場関係者も胸をなでおろしていることだろう。
しかし、ここから何を買えばいいか迷っている投資家も多いのではないか。市場では「ドル高・円安進行で相場上昇が続く」という見方と、「年明け以降はこれまで買われてきた大型株が売られ、物色の矛先は小型株に移る」との見方で割れているからだ。また、2000年以降、1月の日経平均は6勝10敗と大幅に負け越していることや、年初の相場急落などが頭に残っている投資家も多いはずである。
しかし、ここは逆転の発想で“円安メリットがある小型株”を狙ってみてはいかがだろうか。これなら、円安加速シナリオにも小型株物色シナリオにも対応することができる。紹介するのは10万円以下で買えるうえ、時価総額が300億円以下の小型株ばかりだ。
まずは、小型の液晶向け偏光フィルムを手掛けるポラテクノ(4239)。海外売上高比率が約8割と高く、昨今の円高で競争力が低下。今期業績は減収減益の見込みではあるものの、今期で底打ちが見込める。株価は12月26日現在(以下同)で640円。11月にようやく反発を開始しており、出遅れ感がある。
ジャスダック上場のエスケーエレクトロニクス(6677)は、液晶など薄型パネルの製造用原板となる大型フォトマスクのトップメーカー。設備投資や償却負担が重いうえ、円高によって収益が下ぶれしていた。ポイントは、9月決算の同社は11月に17年9月期の通期業績を発表したばかりで、決算には現在の円安進行が全く反映されていない点。株価低迷中の今こそ投資チャンスかもしれない。
東証2部上場で農薬メーカーのエス・ディー・エス バイオテック(4952)は海外売り上げ比率が約6割と高く、数少ない農業関連銘柄としても注目できる。ほかに、ホンダ系の自動車部品メーカーである田中精密工業(7218)など、自動車関連の出遅れ銘柄も要注目。 (吉田礼音)