◇米国男子◇ウェイストマネジメントフェニックスオープン 最終日(5日)◇TPCスコッツデール(アリゾナ)◇7266yd(パー71)
松山英樹が、日本人ナンバーワンプレーヤーの称号を手に入れた。首位に4打差の3位タイから出た最終ラウンドを「66」でまとめ、通算17アンダーで並んだウェブ・シンプソンとのプレーオフを制した。大会連覇で遂げた、2016-17年シーズンの2勝目は、丸山茂樹と自身が持っていた米ツアー3勝の記録を上回り、日本勢史上最多の4勝目。待望の日本人初メジャー制覇への期待をさらに大きく膨らませた。
1年前と同じ17番パー4。前年リッキー・ファウラーを下したホールで、松山は再び決着をつけた。互いにパーで譲らず突入したプレーオフ4ホール目。グリーンの左奥に切られたカップに対し、シンプソンが7mのバーディパットを外した後、松山は3mの緩やかなスライスラインを沈めて拳を振り下ろした。過去に4位、2位、優勝という抜群の相性を誇っていた大会だが、「あのピンポジションでバーディを獲ったのは初めてだった。良いところで入った」と再び勝利の余韻に浸った。
この大会ではジョニー・ミラー、アーノルド・パーマー、ベン・ホーガンといったレジェンドプレーヤーだけが達成してきた連覇(パーマーは3連覇)。ディフェンディングチャンピオンとしての戦いは激闘だった。4打差を追った正規のラウンドでは前半3番(パー5)で、4Iでの2打目をピンそば60cmにつけるスーパーイーグルから勢いづき着実にスコアを伸ばしながら、首位タイで迎えた上がり3ホールはいずれもバーディパットを決めきれなかった。
昨年は延々と続いたプレーオフの間「このまま続いてほしい」と、競技者としての喜びを感じていたが今回は違う。「今年はやりたくなかった。早く終わってくれと思っていた。体力的な問題。(ショットも)去年ほど自分に自信を持てる状態じゃなかった。18番でバーディパットが入ってくれたら、どれだけ楽になったか…」。開幕前日に発症した首痛は3日目以降に回復したとはいえ、飯田光輝トレーナーが「4勝の中で今回が一番コンディションは良くなかった。この調子でプレーオフまでいけたのはすごい」という戦いぶりだった。
死闘を経て、その存在はさらに世界のゴルフの中心で重要性を増す。フェデックスカップポイントランキングで再びトップに返り咲き、全選手から追われる立場になった。それでもどうだ。「マスターズ」に向けた自信を問われた松山は、冷静さを失わない。
「手応え?…微妙、ですね。オーガスタに行ったらダメなところがたくさん見えてくる。プレーオフを4ホールやったくらいで、ヘバっているようじゃ話にならない。来週からオーガスタまでしっかりトレーニングをしたいです」
ツアー史上最多となる、延べ65万5434人のギャラリーを飲み込んだ1週間。彼らの胸に「マツヤマ」のフレーズは、日本人歴代最強のゴルファーとして刻まれるはずだ。「丸山さんの“3勝”を早く超えたいと思っていたのでうれしい。でも、日本で一番のプレーヤーかと言われたら僕はそう思わない。そうなれるように頑張りたい」。日本人がグリーンジャケットを羽織る日――。オーガスタナショナルGCでの戦いまで、あと60日だ。(アリゾナ州スコッツデール/桂川洋―)
以上、GDOニュース
>18番でバーディパットが入ってくれたら、どれだけ楽になったか…」。開幕前日に発症した首痛は3日目以降に回復したとはいえ、飯田光輝トレーナーが「4勝の中で今回が一番コンディションは良くなかった。この調子でプレーオフまでいけたのはすごい」という戦いぶりだった。
これだけコンディションが悪い中、優勝できたことがすごい。
マスターズまで、コンディションを整えてグリーンジャケットを着れるために準備してほしいですね。