[東京 15日 ロイター] - 麻生太郎財務相は15日の衆院財務金融委員会で、日米首脳会談前にトランプ米大統領が貿易問題で日本を円安誘導と批判したことに関連し、円相場を独歩安に誘導しておらず、日銀による金融緩和はデフレ対策だと語った。黒田東彦日銀総裁も為替動向は日米金利差だけで説明できないと述べた。丸山穂高委員(維新)の質問に答えた。
麻生財務相は、トランプ発言について「(米国の)貿易赤字を何とかしたいという事に関心があるようだが、為替では無理だ」と語った。
リーマンショックという米国を起点とした世界的な信用収縮局面では、米連邦準備理事会(FRB)による大規模な金融緩和によってドル安/円高が進行したとし、それでも「日本は文句を言わずに(1ドル)70円台の円高に耐えてきた」と指摘。新体制の米当局にも「日本は円の独歩安をやっていないし、金融緩和は単なるデフレ対策と説明する」考えを示した。
黒田総裁も、現在の金融政策は物価安定の実現が目的であり、為替相場を目的としたものではないことが「主要国の間で十分に共有されている」と繰り返した。
米国が利上げを進める一方、日銀がイールドカーブ・コントロール(YCC)政策で長期金利を「ゼロ%程度」に抑制する中で、日米金利差がドル高/円安要因になっているとの指摘に対しては「為替レートはさまざまなファクターに影響される。金融政策だけで為替レートを説明するのは理論的にも正しくない」と反論。
現在の日米金利差は「日米それぞれの経済・物価などに対応した政策の結果」と語った。
米プリンストン大のクリストファー・シムズ教授らが提唱し、財政政策が物価の決定を主導するとした「物価水準の財政理論」について見解を問われた黒田総裁は「興味深いが、理論そのものが学者間で共有されていない」とし、「政策論として、新しく考慮しなければならないものではない」と主張。
麻生財務相は、先進国の中で最悪の財政状態にある日本が財政規律を放棄すれば「国債の償還に疑念が生じ、極めて問題」との認識を示した。
黒田総裁は、日銀による上場投資信託(ETF)の買い入れについて、株式市場全体のリスクプレミアムに働きかけることが狙いとし、「個々の企業や株式に影響を及ぼす可能性はまったくない」と強調。買い入れで「市場に安心感がもたらされ、リスクプレミアムを縮小する効果が出ている」と語った。
以上、ロイター記事
日本の金融政策は、デフレ対策であり、これをアメリカが文句言うなら、FRBがやっていることをどう弁明するのか?麻生さんが言うとおりである。
第一次安倍政権時の為替レートは116円/ドルでした。それと比べると現在は円高です。
このままのペースで、アメリカのトランプによる政策を進めると120円/ドルにはなると私は予想します。