◇業務上過失致死傷罪で在宅のまま東京地裁に
2011年の東京電力福島第1原発事故を巡り、東京第5検察審査会から起訴議決を受けた東京電力の勝俣恒久元会長(75)ら旧経営陣3人について、検察官役に指定された弁護士が26日午後にも、業務上過失致死傷罪で在宅のまま東京地裁に強制起訴する方針を固めたことが分かった。
検察審の起訴議決に基づく強制起訴は全国9例目。
他に起訴されるのは、武黒一郎(69)、武藤栄(65)の両元副社長。
第5検審は昨年7月、旧経営陣3人について「万が一にも発生する事故に備える責務があり、大津波による過酷事故の発生を予見できた。原発運転停止を含めた回避措置を講じるべきだった」などとする起訴議決を公表。
3人が事故を未然に防ぐ注意義務を怠り、福島県大熊町の双葉病院から避難した入院患者44人を死亡させ、第1原発でがれきに接触するなどした東電関係者と自衛隊員ら計13人を負傷させたと認定した。
事故後、福島県民らで作る「福島原発告訴団」が旧経営陣や事故対応に当たった政府関係者を告訴・告発したが、東京地検は計42人全員を不起訴とした。
告訴団が審査を申し立て、第5検審は14年7月に3人を「起訴相当」と議決。再捜査した地検は15年1月、再び不起訴としたが、第5検審が起訴議決を公表した。東京地裁が指定した弁護士5人が検察によって収集された資料を精査し、補充捜査を行ってきた。
同様に告訴・告発され不起訴になった旧経済産業省原子力安全・保安院元幹部と東電実務担当者ら計5人についても東京第1検審が審査している。【山下俊輔】
◇東京電力福島第1原発事故
国際事故評価尺度で、チェルノブイリ原発事故(1986年)と並ぶ「レベル7」とされた最悪の原発事故。
運転中の1〜3号機は、東日本大震災で停止したが、津波で全交流電源を失い炉心が冷却不能になった。
1号機は2011年3月12日、3号機は14日、4号機は15日に水素爆発した。定期検査のため運転停止中だった4号機は、3号機から水素が流入しプール付近で爆発した。
以上、毎日新聞
福島原発は、事故前からIAEAの査察で安全上の不備の指摘を受けていたが、放置しこのような事故につながり, さらに事故発生時の対応をきちんとやらなかったことで患者44名を死亡させるとともに自衛隊員、東電関係者13名も負傷している。
トップの責任の取り方について、手ぬるいため、安全を軽視する風潮が日本にはあるのかも知れない。
この3人の自宅をボーリングして福島で出した高濃度の放射性物質の保管をやってほしいと思う。