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帯とけの枕草子〔二百十七〕みじかくてありぬべき物
言の戯れを知らず「言の心」を心得ないで読んでいたのは、枕草子の文の「清げな姿」のみ。「心におかしきところ」を紐解きましょう。帯はおのずから解ける。
清少納言枕草子〔二百十七〕みじかくてありぬべき物
文の清げな姿
短かくていいもの、急なもの縫う糸。げす女の髪。人の娘のしゃべり声。灯の台。
原文
みじかくてありぬべき物、とみの物ぬふいと。げす女のかみ。ひとのむすめのこゑ。とうだい。
心におかしきところ
身近くあっていいもの、急なもの縫うときの糸。げす女の髪(愛用のかつら髪)。若い女たちのおしゃべりの声(独りは寂しい)。灯台(明るい)。
言の意味は戯れる、又、聞き耳によって異なるもの。
「みじか…短か…長くない…みぢか…身近…遠く隔たっていない」「じ…ぢ…耳で聞いては区別できない」「ありぬべき…あるのが適当…あるのが相応しい」「げす女の髪…短ければ働きやすい…かつら髪にしている」「人の娘の声…人の娘たちのおしゃべり短いほうが好い…人の娘たちの声身近でしていたほうがよい」「灯台…短い(低い)方が適当…身近に置くのが適当」。
伝授 清原のおうな
聞書 かき人知らず (2015・9月、改定しました)
原文は、岩波書店 新 日本古典文学大系 枕草子による。