ヒトの五感にはそれぞれに特化した感覚受容器(入力物質の検出器)がありますが、
どの受容器の出力も同一形式の電気パルスです。
従って、これらのパルスから入力物質を特定することは出来ません。
それぞれの受容器の出力は、対応する脳の感覚野に接続されています。
感覚野が互いに独立していれば、ある意味で入力物質の違いに対処できるでしょう。
しかし、ヒトの脳のように感覚野同士が神経線維でつながっているときには入力物質の違いに対処できません。
何故なら、感覚野へのパルスはすべて同一形式だからです。
視覚野は、光受容器からのパルスの入力に対して神経網が反応します。
嗅覚野は、分子受容器からのパルスの入力に対して神経網が反応します。
この場合、これらの神経網には構造的な違いは全くありません。
構造的に同じ二つの神経網が同一形式のパルスからどのようにして入力物質の違いを読み取ることができるのでしょうか。
物理的には全く不可能なことです。
ヒトの脳は、このことをクオリアで実現しています。
進化の妙と言うしかありません。
検出器によって入力物質の物質的属性が抽象化され、その情報がパルスで運ばれます。
この情報を読取り、入力物質の物質的属性を何らかの意味で復元することを具象化と名付けます。
脳のクオリアは正にこの具象化を実現しているのです。
受容器は物質の検出器であり、感覚野は情報の検出器です。
詳細は、パソコンサイト 情報とは何か 情報と物質の関係から見える世界像 を是非ご覧ください!
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