高等動物やロボットは、情報を利用して行動します。
このとき、
「非物質的な情報がなぜ動物やロボットを構成する物質に作用できるのか」
という問題が生じます。
これを情報物質問題、これを扱う科学哲学を情報物質の科学哲学と名付けます。
生物/脳/ロボット/量子における物質と情報とが関わり合う現象の理解には
この哲学が不可欠です。
情報物質問題を解決しない限り心身問題を解決できないことは自明です。
情報物質哲学が扱う情報物質問題を列挙します:
(1)物質と情報の関係が見かけ上のものか不可欠なものか
補足説明: 情報という言葉が遺伝情報のように比喩的な意味で使われるのか 神経情報のように不可欠な概念として使われるのか
(2)不可欠ならその情報を対象の物質的性質との関連で定義すること
補足説明: 神経情報であれば神経パルスとの関わりどの過程でどのように情報として定義され出力されるのか 情報を物質現象との関連で分析するという視点が従来の脳科学には殆どありません
(3)情報と物質という二元論が成り立つか
補足説明: 定義された情報がそれと関わる物質現象に還元できるのか並行関係にあるのか
(4)情報が対象の構造や機能に果たしている役割
補足説明: 情報と物質との関わりという観点から分析すること
(5)情報がどのようにして対象の物質的性質と相互に影響するのか
補足説明: この両面を同時に強く念頭においた分析は殆どありません 意外なことに量子現象の根本的な理解にはこの分析が不可欠です
(6)コンピュータ/脳などの情報処理システムの物質現象と計算過程/情報処理過程の対応関係
(7)入出力システムで入力の本質的役割はその物質的属性なのか情報的属性なのか
(8)情報と時間/空間の関係
(9)量子力学の解釈問題/観測問題/量子現象における物質と情報との関わり
補足説明: 量子現象の測定における情報概念の役割
(10)情報と実在性との関連
補足説明: 時間/空間は自然界に実在するのか 物理量の実在とは何か
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