昨日の夜、久々に「米子ガイナックス」の赤井孝美さんや、米子映画事変の関係者との飲み会がありました。
懐かしい昔のプラモの話とか、アニメの声優さんの話とか、ちょっとマニアックな話題で盛り上がりました。
なので今日はちょっと疲れ気味ですが、午後からは「Chukai コムコムスクエア」の「プラモ、フギュア製作講座」の講師に行かなければなりません。
今日は新しい生徒さんも来ていただける様なので張り切って行きます。
昨日の飲み会の時にちょっとだけ話題になったのですが、タミヤ模型など、1960年から1970年代によく見かけたプラモの箱絵に、「小松崎茂先生」の作品をよく見ました。
今井科学のサンダーバードのプラモやニチモの戦車、軍艦など荒々しい迫力のある絵が描かれていました。
その後、タミヤの戦車の箱絵は「高荷義之先生」に変わりましたが、「小松崎茂先生」の作品よりよりリアルな絵になってプラモの箱を切り取って壁に貼っていたことも有ります。
これが「高荷画伯」の絵です。
マクロスのデストロイドトマホークです。
このイラストは色が間違っている様です。
アニメの設定ではレッドブラウンの様な茶色なのですが、この絵のグリーンの方が断然良いですよね。
なのでこのプラモを作った時、このグリーンに塗装しました。
風の谷のナウシカですが、キャラクターの顔が、とてもリアルです。
アニメのイメージを残しつつ、高荷風アレンジが加えられていてとてもリアルです。
もう何十年か前、群馬の高荷先生の宅まで行ったことも有ります。
知り合いのN君が昔からの知り合いで、「高荷先生」に会いに行くけど一緒にどう?と言われて、即行きますと返事しました。
高荷先生はイメージ通りの方で、職人気質の方でした。
私の作った作品の写真を色々見ていただきましたが、先生の言われた言葉が、意外でした。
そのお言葉というのが、
「君の様にそつなくこなしてちゃ〜ダメなんだよ。ナンジャコリャ!という様な物が無いとダメなんだ。」
と言われました。
その何年か後に、神田のメディアワークスに、作品の写真を持ち込んだことが有りますが、そこの編集者の方からも、「何か物足りないな〜なんだろう?綺麗すぎるのかな?」と言われたことが有り、何年もたった今、ちょっとその意味が分かったような気がしています。
その昔、バンダイ模型から、「試作品ですが作ってもらえませんか?」という連絡をもらったことが有り、製作を引き受けました。
その試作品とは、
これです。
1/24スケールのダンバインです。
バンダイの方からは、「どんなに改造しても構わないので作ってください。」ということでした。
さーどんな風に作るか?
参考にしたのが、高荷画伯のイラストでした。
これがダンバイン。
これはサーバインです。
このイラスト風に作れたらと思い、キットを切り刻んでほとんどフルスクラッチ並みに改造しました。
その写真が、これです。
これは、私が作ったダンバインを、バンダイのカメラマンが撮影してくれた物です。
「模型情報」というバンダイが発行していた冊子に掲載された物です。
この当時、ガンダムの胸の色を空色からコバルトブルーに変えて塗っただけで、設定と違う、とか、こんなの「偽物」みたいな事を言われる時代でしたが、高荷画伯の言われた「ナンジャコリャ」の精神で、全身に血管の様なモールドをつけました。
このダンバインというロボットは、人間の生体エネルギーで動き、ボディーは怪獣の甲羅を削って作られているという設定だったので、甲羅というより、皮膚の様な質感にしたくて、血管のモールドを付けました。
この血管のモールドは電気のコードの銅線を捻って木の根っこの様な物を作り、瞬間接着剤で貼り付け、エポキシパテででこぼこに仕上げています。
胸のキャノピー部分は原型製作からシリコンで型取り、透明樹脂で複製して作りました。
結構大変な作業の連続で、キットのままの部分がほぼ有りません。
バンダイの方も「ダンバインってカッコよかったんですね。」なんて言われました。
このダンバインは静岡のプラモ見本市で展示されました。
今でも、このダンバインは「語りぐさ」になっている様です。
これも、「高荷画伯」の「ナンジャコリャ」のお言葉のおかげかも知れません。
最近、高荷画伯は、終活されている様で、体の調子もあまり良く無い様で心配です。
アトリエも見学できる様に改造して「高荷記念館」の様な形にされている様です。
製作活動ももうされていません。
若い時は、町内会の祭りの看板とかも描かれていたそうです。
もう、作品が見られないのが寂しいですね。
いつまでも元気でいて欲しい方の1人です。
「高荷画伯」のお言葉をいつまでも心に留めておきます。
高荷画伯、ありがとうございました。
いつまでもお元気で!