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ゴーストハンターもの

2006年01月16日 | アニメ・特撮
 また映画のことで恐縮ですが、「スクービィードゥ」っていう犬が主役の映画がありましたね。あれはハンナバーベラのアニメが原作です(邦題「弱虫クルッパー」)。

このアニメは「一見ゴーストハンターもの、じつは本格ミステリみたいな」アニメでした。基本的なストーリーは、学生が作った超常現象研究会が旅をしているあいだに、あっちこっちで幽霊怨霊妖怪宇宙人に出会いながらも、マスコット犬のクルッパーの活躍(スラップスティック)によって意外な解決を迎えるというものです。

ネタバレになりますが、オカルト騒動にはじつは犯人があり、現実的な解決がなされるというのが毎回のラストです。しかもその犯人は必ず物語の最初のほうに顔を見せているという、本格ミステリの常套をやっていて、脚本書いている人物はミステリ好きだと想像しています。オリジナルのアニメ、どこかで再放送してくれないですかねえ。DVDでもいいですが。

ところでゴーストハンターものの小説漫画映画は捨てるほど世にあると思いますが、古典といえば「妖怪博士ジョン・サイレンス」(ブラックウッド)、「幽霊狩人カーナッキ」(ホジスン)あたりではないでしょうか。サイレンス博士がホームズ風な知性派ゴーストハンターならば、カーナッキはメカを使う武闘派ゴーストハンター、と言えるかもしれません。どちらも古い小説ですが不気味さ満点です。とくに「サイレンス博士」の「いにしえの魔術」は恐いです。ちなみに両方ともに国書刊行会のドラキュラ叢書(名前からして笑)で出ていましたが、後に角川ホラー文庫で復活を果たしました。

ドラキュラつながりでゴーストハンターといえばヴァン・ヘルシング教授。この人も最近の映画で、老人のイメージを捨てて、若くて美形で腕のたつゴーストハンターとなりました。

そして「ドラキュラ」を江戸時代に移植したのが横溝正史の「髑髏検校」。戦前の作品なので、戦後(とくに昭和30年以降)のだらだらした文章ではなく、テンポの速いひきしまった描写で面白さ抜群です。しかも敵の正体を歴史上有名なあの人に設定して、それが最後にわかる仕掛けはミステリ作家の面目躍如。これも角川文庫で出てました。
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