徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

シャガール ラ・フォンテーヌの「寓話」 川村記念美術館

2006-04-05 | 美術
マルク・シャガール ラ・フォンテーヌの「寓話」
Les Fables de La Fontaine
川村記念美術館
2006/3/21-6/11

3月26日にはじめて川村記念美術館を訪れました。大日本インキの創業者の川村社長の創設した美術館です。綺麗な庭園があり、そこのようすは、すでに写真で紹介しました。

まず1階の展示室では、
  • オーギュスト・ルノワール 水浴する女 1891年
  • パブロ・ピカソ シルヴェット 1954年 :最後の夫人ジャクリーヌに会う直前でしょうか?。
  • マルク・シャガール ダビデ王の夢 1966年: 赤を基調としたシャガールらしい大作です。学芸員の人の説明があったのでよくわかりました。シャガールは、重要なものを大きく書くとか、シャガールはユダヤ人なのでダビデ王の夢が主題になっているとか。
  • 藤田嗣治 髪を梳く裸婦(ユキの肖像) 1931年

  • レンブラント・ファン・レイン 広つば帽を被った男 1635年

  • 横山大観 輝く日本 1943年 屏風(六曲一双)、紙本彩色金泥 :戦時中の作品です。
  • 上村松園 桜可里図 1914-15年 絹本彩色
  • 藤田嗣治 猫 1950年: 三匹の猫です。猫の足で署名がしてあります。

    マレーヴィッチ、ジャスパー・ジョーンズ なども並びます。

    ラ・フォンテーヌの「寓話」は、フランスの詩人ラ・フォンテーヌ(1621-1695)がイソップをはじめ、東洋の寓話や当時の時事、哲学などを素材として創作した寓話集。当時の政治に対する痛烈な皮肉がこめられいて、フランス人の心の奥底に浸透し、ものの考え方や言語生活に影響を与えてきた。フランスでは、イソップよりは、ラ・フォンテーヌの寓話といったほうが通じるらしい。また、異国人のマルク・シャガールが本寓話集を発表すると、フランス人の心が異国人に描けるかといった議論が起きたようだ。

    シャガールは、画商ヴォラールにその才能を見出されて連作版画《ラ・フォンテーヌの寓話》を1927-30年に制作したが、画商の交通事故死によって、一旦お蔵入りになり、発表時期は1952年。もともと多色刷りのリトグラフを予定していたらしいが、結局、白黒のリトグラフ(エッチング、アクアティント、ドライポイン)に対して、手で彩色がされている。100枚摺られたようだ。
    ここで描いた動物のデッサンの経験が、後のシャガールの画風に影響を与えたという。HPに紹介されている図版をみてもらえば、シャガール独特の動物の描き方がよくわかるが、かわいらしい。今回の展示は、高知県立美術館所蔵のもの。

    また、フランソワ・ショヴォーによる『寓話』初版本の挿画や、『寓話』の源泉である『イソップ寓話』を主題とした作品も展示されている。ギュスターヴ・モロー(原画)フェリックス・ブラックモン(刻)《不和の女神》(1886)や長谷川潔《狐と葡萄(ラ・フォンテーヌ寓話)》(1963年)などが印象に残った。

    学芸員の方のお話を伺えないとすると、1000円は、ちょっと料金的には高いかなというのが感想。

    なお、川村記念美術館で、「パウル・クレー 創造の物語」が、2006年6月24日(土)-8月20日(日)に開催される。

    同一のタイトルの展覧会が、2006.8.29(火)-10.9(月)に北海道立近代美術館に開催されるようなので、巡回するのでしょうか。

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    ベルリンへ

    2006-04-03 | Weblog
    4/3 AF275 NRT1205, AF2534 CDG 1855でベルリンへ。4/4からCPEのためAFは多少欠航もあるようですが、帰国できるのでしょうか?
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    日本の神々と祭り 国立歴史民族博物館

    2006-04-02 | 美術
    日本の神々と祭り ~神社とは何か~
    2006年3月21日から5月7日
    国立歴史民族博物館 http://www.rekihaku.ac.jp

    本BLOGは、現在ほとんど美術館めぐりの記事で埋められてしまっていますが、第1回は、鹿島神宮の訪問記でした。神社とは何か?という企画をたまたま眼にしてしまえば、心もそぞろ。26日に駆けつけてしまいました。歴史としての観点からの本展覧会の記録は、また別途書きたいと思います(。図録を購入したので、それを読んでからということで。まあ、いつになることやら。もし、歴史に興味があって、本展覧会を訪れるならば、会期中の土曜・日曜と5/3、5/5の10:30-と13:30から先生によるギャラリートークがあるのでそれを伺いながら、展示を見ると楽しいと思います。今回、私の場合は、途中から半分ぐらいだけですが、面白かったです。今回の展覧会では、各神社が代々伝えてきた貴重な品物をお借りしていて、先生方は、何かあったらと思うと夜も眠れない、とお話されていました。

    展覧会は、出雲大社、伊勢神宮、厳島神社、祇園八坂神社を紹介しています。

    出雲大社のコーナーには
    国宝 荒神谷(こうじんだに)遺跡出土の銅剣
    国宝 秋野鹿蒔絵手箱 出雲大社(4/16まで)
    など

    伊勢神宮のコーナーには、実際に伊勢神宮に式年遷宮の際に神宝として納められていたものが展示されています。
    これは、あまりに立派に贅を尽くした細工で見とれてしまいます。

    厳島神社のコーナーには
    国宝 平家納経 法華経 序品第一(4/2まで)
    見返しの絵のすばらしさ、金と薄い金色で雲のように棚引くように模様が描かれた料紙の美しさ。平清盛は、あまり多くの殺生をしたので、成仏するためにこのような豪華な装飾経を奉納した、と先生の解説には思わず納得。先般感嘆した久能寺経の美しさも待賢門院への無念を鎮めるものであったが、美しさの背後には歴史有りということか。
    それにしても厳島神社展を見逃していたのはつくづく残念。4/18-5/7に佛説観普賢菩薩行法経(結経)が展示される。図録よれば、女房の姿が見返しに描かれて美しい。
    国宝 小桜韋黄返威鎧(4/16まで)
    横山大観 屈原(日本美術院第一回展 出品)(1898)(厳島神社蔵):屈原に東京美術学校長を追われた岡倉天心の姿を重ね合わせたもの。よく教科書に載っている有名な絵にこんなところで出合うとは。

    八坂神社のコーナーには、
    延久二年二月廿日太政官符(八坂神社文書) 八坂神社
    祇園社(境内)絵図 八坂神社
    祇園祭礼図屏風 京都国立博物館
    洛中洛外図屏風(D本) 右隻 国立歴史民俗博物館
    などが展示されていた。 最初の二つが、由緒があるとの解説であった。
    4/18-5/7に
    洛中洛外図屏風 八坂神社
    重文 洛中洛外図屏風(乙本) 下京隻 国立歴史民俗博物館
    が展示される予定。

    近ければ、もう一度後半に訪問したいところです。
    コメント (2)
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