マルク・シャガール ラ・フォンテーヌの「寓話」
Les Fables de La Fontaine
川村記念美術館
2006/3/21-6/11
3月26日にはじめて川村記念美術館を訪れました。大日本インキの創業者の川村社長の創設した美術館です。綺麗な庭園があり、そこのようすは、すでに写真で紹介しました。
まず1階の展示室では、
オーギュスト・ルノワール 水浴する女 1891年
パブロ・ピカソ シルヴェット 1954年 :最後の夫人ジャクリーヌに会う直前でしょうか?。
マルク・シャガール ダビデ王の夢 1966年: 赤を基調としたシャガールらしい大作です。学芸員の人の説明があったのでよくわかりました。シャガールは、重要なものを大きく書くとか、シャガールはユダヤ人なのでダビデ王の夢が主題になっているとか。
藤田嗣治 髪を梳く裸婦(ユキの肖像) 1931年
レンブラント・ファン・レイン 広つば帽を被った男 1635年
横山大観 輝く日本 1943年 屏風(六曲一双)、紙本彩色金泥 :戦時中の作品です。
上村松園 桜可里図 1914-15年 絹本彩色
藤田嗣治 猫 1950年: 三匹の猫です。猫の足で署名がしてあります。
マレーヴィッチ、ジャスパー・ジョーンズ なども並びます。
ラ・フォンテーヌの「寓話」は、フランスの詩人ラ・フォンテーヌ(1621-1695)がイソップをはじめ、東洋の寓話や当時の時事、哲学などを素材として創作した寓話集。当時の政治に対する痛烈な皮肉がこめられいて、フランス人の心の奥底に浸透し、ものの考え方や言語生活に影響を与えてきた。フランスでは、イソップよりは、ラ・フォンテーヌの寓話といったほうが通じるらしい。また、異国人のマルク・シャガールが本寓話集を発表すると、フランス人の心が異国人に描けるかといった議論が起きたようだ。
シャガールは、画商ヴォラールにその才能を見出されて連作版画《ラ・フォンテーヌの寓話》を1927-30年に制作したが、画商の交通事故死によって、一旦お蔵入りになり、発表時期は1952年。もともと多色刷りのリトグラフを予定していたらしいが、結局、白黒のリトグラフ(エッチング、アクアティント、ドライポイン)に対して、手で彩色がされている。100枚摺られたようだ。
ここで描いた動物のデッサンの経験が、後のシャガールの画風に影響を与えたという。HPに紹介されている図版をみてもらえば、シャガール独特の動物の描き方がよくわかるが、かわいらしい。今回の展示は、高知県立美術館所蔵のもの。
また、フランソワ・ショヴォーによる『寓話』初版本の挿画や、『寓話』の源泉である『イソップ寓話』を主題とした作品も展示されている。ギュスターヴ・モロー(原画)フェリックス・ブラックモン(刻)《不和の女神》(1886)や長谷川潔《狐と葡萄(ラ・フォンテーヌ寓話)》(1963年)などが印象に残った。
学芸員の方のお話を伺えないとすると、1000円は、ちょっと料金的には高いかなというのが感想。
なお、川村記念美術館で、「パウル・クレー 創造の物語」が、2006年6月24日(土)-8月20日(日)に開催される。
同一のタイトルの展覧会が、2006.8.29(火)-10.9(月)に北海道立近代美術館に開催されるようなので、巡回するのでしょうか。
Les Fables de La Fontaine
川村記念美術館
2006/3/21-6/11
3月26日にはじめて川村記念美術館を訪れました。大日本インキの創業者の川村社長の創設した美術館です。綺麗な庭園があり、そこのようすは、すでに写真で紹介しました。
まず1階の展示室では、
マレーヴィッチ、ジャスパー・ジョーンズ なども並びます。
ラ・フォンテーヌの「寓話」は、フランスの詩人ラ・フォンテーヌ(1621-1695)がイソップをはじめ、東洋の寓話や当時の時事、哲学などを素材として創作した寓話集。当時の政治に対する痛烈な皮肉がこめられいて、フランス人の心の奥底に浸透し、ものの考え方や言語生活に影響を与えてきた。フランスでは、イソップよりは、ラ・フォンテーヌの寓話といったほうが通じるらしい。また、異国人のマルク・シャガールが本寓話集を発表すると、フランス人の心が異国人に描けるかといった議論が起きたようだ。
シャガールは、画商ヴォラールにその才能を見出されて連作版画《ラ・フォンテーヌの寓話》を1927-30年に制作したが、画商の交通事故死によって、一旦お蔵入りになり、発表時期は1952年。もともと多色刷りのリトグラフを予定していたらしいが、結局、白黒のリトグラフ(エッチング、アクアティント、ドライポイン)に対して、手で彩色がされている。100枚摺られたようだ。
ここで描いた動物のデッサンの経験が、後のシャガールの画風に影響を与えたという。HPに紹介されている図版をみてもらえば、シャガール独特の動物の描き方がよくわかるが、かわいらしい。今回の展示は、高知県立美術館所蔵のもの。
また、フランソワ・ショヴォーによる『寓話』初版本の挿画や、『寓話』の源泉である『イソップ寓話』を主題とした作品も展示されている。ギュスターヴ・モロー(原画)フェリックス・ブラックモン(刻)《不和の女神》(1886)や長谷川潔《狐と葡萄(ラ・フォンテーヌ寓話)》(1963年)などが印象に残った。
学芸員の方のお話を伺えないとすると、1000円は、ちょっと料金的には高いかなというのが感想。
なお、川村記念美術館で、「パウル・クレー 創造の物語」が、2006年6月24日(土)-8月20日(日)に開催される。
同一のタイトルの展覧会が、2006.8.29(火)-10.9(月)に北海道立近代美術館に開催されるようなので、巡回するのでしょうか。