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コラム(42):自民党総裁選に意欲を見せる野田聖子氏
代議士が総理大臣になりたいと願うことに異議を挟むつもりはありません。国民からすれば、国の将来を安心してお任せできる人に総理大臣になって頂きたいと思うのは当然のことだと思います。
まもなく自民党総裁選(9月8日告示、20日投開票)がありますが、ここに「私の心は『義を見てせざるは勇無きなり』に尽きる」と述べて野田聖子氏が出馬の意向を示しています。
自我が優先の立候補
しかし今、国会は安保法制審議の重大局面に差しかかっていて自民党の総裁選挙で時間を費やしている場合ではないのです。にも関わらず野田氏だけは国益よりも自分の名誉心や野心を優先させるために立候補しようとしています。
信念なき迎合主義者
野田氏のこれまでの行動を見ると、安保法制に否定的で、日本の国益は眼中に無いように見受けられます。
自民党総務会長であった2014年5月に、雑誌「世界」(岩波書店)に「集団的自衛権で『殺し殺される』【※1】」と述べ、これを日本共産党の「赤旗」が大きく取り上げたことがありました。
これは紛れもなく反党行為に当たります。自民党総務会【※2】は重要な意思決定機関ですが、その責任者が党の方針をよそで批判したことは重大な問題です。本来なら除名処分に値するものです。しかも、「世界」記事では、野田氏自身に政治家としての信念が無く、単なる大衆迎合主義者であることを自ら証明してしまいました。
【※1】「集団的自衛権が行使できる、武力行使ができるとなれば自衛隊は軍になる。軍隊は殺すことも殺されることもある。いまの日本に、どれだけそこに若者を行かせられるのでしょう」と述べた。
【※2】党の運営及び国会活動に関する重要事項を審議決定する。
能力不足と政策の私物化
本人は自分を実力派議員と思っているようですが、この自己評価は間違っています。集団的自衛権の閣議決定前の総務会では満場一致で決定しましたが、周囲が根回しをし、実質的には高村副総裁が野田氏の隣に座ってことを運んだ結果です。決して野田氏の力量によるものではないのですが、その自己認識が無いのです。
また、野田氏の主張は極めてご都合主義です。党所属の参議院議員と結婚(未入籍)をした際、苗字の変更は選挙不利になるとして「例外的に夫婦の別姓を実現させる会」を主導しています。個人的事情を政策に反映させた公私混同の典型的な例です。
反安倍の長老に操られる
野田氏の背後には、安倍政権を苦々しく思う利権政治家の古賀誠氏(引退)が見え隠れします。野田氏が「世界」に投稿した頃、古賀氏は「赤旗」紙上で「護憲」を表明しました【※3】。そんな古賀氏にとっては、国益を重視し中国に毅然たる態度を示す安倍総理は目の敵であることは言うまでもありません。
古賀氏にしてみれば、野田氏は政権批判のために利用できる存在なのです。浮かれやすい野田氏に総裁選出馬を促し、野田氏はそれを真に受けすっかり舞い上がったのが実情です。
古賀氏は野田氏を総理大臣にして、陰で操りたかったのでしょう。また、簡単に乗ってしまった野田氏は、あまりにも己を知らぬ軽挙妄動であったと言わざるを得ません。
【※3】「憲法はわが国の最高法規。他の法規を扱う基準と違うのは当然」「なかでも平和主義は『世界遺産』に匹敵する」と発言。
総理総裁の資質
総理大臣の責務は、現在では国内の問題だけではなく国際社会の平和と繁栄を果たす役割がその範疇にあります。そのためには最低限、私利私欲のない高人格が求められます。
今の野田聖子氏には残念ながらその資格はありません。
智恵を深め、心を深めた上で出直していただきたいものです。
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