コラム(90):戦後反体制運動の終焉
限界にきた反体制運動
安保法制成立後、反体制運動家たちは、次の目標を見失っているように見えます。彼らにとってのテーマは「反原発」「反沖縄基地」だけとなり、国民全体を引き込む運動は提起できていません。
反体制運動が縮小する理由
60年安保、70年安保の喧騒を境に、日本における反体制運動は縮小の道を歩んでいましたが、今回の安保法制を契機にさらに翳りが見えてきました。その原因は彼らの擬似ナショナリズムと憎しみを煽る手法に国民が反感を持つようになったことにあります。
また、中国の正体が覇権主義にあることを万人が認識したことも要因となっています。反体制運動は中国の利益のために活動している集団と見られているからです。
偽りの正義
これまでの日本の政治的な主張は、政治が悪い、政府が悪いと批判することが知的で良心的な態度であるとの風潮がありました。その典型がジャーナリズムであり、旧社会党(現民主党、社民党)や共産党でした。
しかし、インターネットの普及で、今まで伏せられていた事実や検証の手が届かなかった事柄が次々と明るみに出てきました。これはジャーナリズムによる情報の独占が出来なくなったことを意味し、ジャーナリズムが主張する正義の正体も明るみになってきたということです。
体制派、反体制派の構図に終止符を
戦後の政治運動は、主にイデオロギー的な政治対立を軸として、利害打算が絡み合う世界が現出し政治闘争が始まりました。それに輪をかけてジャーナリズムが対立を煽る構図をつくりだしました。そこには、政治の基本である国民の幸福はありません。
野党の支持率があがらないのもここに大きな原因があります。国民の意識とは違うところで政治活動を行なっているからです。今こそ政治はだれのものかを問うべきです。国民の平和と安全を守り、発展に導こうとすることが政治家の使命です。それを問うのがジャーナリズムの本来の使命だと思います。
戦後70年の節目のときに、対立の構図を捨て、国民の幸福を願う政治へと政治家もジャーナリズムも脱皮していただきたいと思います。
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