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統一教会叩きの先にあるもの
統一教会と自民党の関係をメディアなどが必死に叩き続けていますが、その先の狙いは日本会議叩きに持っていきたい意図が見えるようになりました。いまや反体制左翼の掲示板になったツイッターに「内閣から統一教会と日本会議を叩き出せ」というタグが見られるようになったからです。
反体制勢力にとって、統一教会問題は弱小カルトだからこそ叩きやすい問題で、日本最大のカルト創価学会=公明党には怖くて手が出せません。いくら高齢化している創価学会であっても直接的な戦争は避けたいというのが彼らの本音だと思います。高齢化と名誉会長の死で弱体化していくのを待つしか方法はないようです。その分、嫌がらせ電話程度の人数の少ない統一教会は、彼らにとって最も扱いやすい存在です。
しかも、統一教会問題で騒いで、世論の応援を得て自民党の選挙基盤の一つである統一教会を切り離すことができつつある現状を成功とみているようで、次のターゲットは自民党内の保守の要である日本会議を何としても叩いておきたいところでしょう。彼らが最も問題視する自民党の憲法改正や国防に関する問題意識の底流には、日本会議の存在があると見ているからです。
数年前、カルト宗教の問題について、テレビでおなじみの紀藤弁護士のグループに呼ばれたことがありました。「おれは偉いんだ」との雰囲気をにじませる紀藤弁護士は30分以上遅れて出てきましたので、その間、カルトと戦っている人と若手の弁護士らが雑談しておりましたが、なぜか、その際、日本会議のことが話題になったことがありました。
私は、日本会議について、事務総長以下の専従者を存じ上げている関係で――この中には、私が学生時代に作ったサークルの後輩10人弱も含まれる――-組織のことは知っている部類であろうと思いますが、そうとは知らない弁護士連中は好き勝手に日本会議を批判していました。偏見に満ちた意見でしたが私は黙って聞いていました。要は、自民党と日本会議の関係が「けしからん」ということだったのです。
どうも弁護士連中には、統一教会のようなカルトと日本会議は、同一線上の打倒すべき現体制の補完する勢力に見えているようで、一刻も早く唾棄すべきと考えているようでした。これって、どこかの国がまるで喜びそうな思考回路ですね。弁護士連中こそが、反国家というカルト思想に侵されて、どこかの国に忠節を表明しているようなものです。
今後、メディアなどを通して統一教会と日本会議が一緒くたに語られると思いますが、韓国系の統一教会と日本会議は国家観の次元で全く異なっていることは知っておかなければなりません。
天皇というご存在を否定し日本人を搾取の対象とする統一教会に対して、日本会議は嫌悪していますし、組織に加入させていません。しかも、日本会議の中に加盟している宗教団体はありますが、カルト宗教はありません。両者を一緒くたに論ずるのは最初から悪意があるのです。
かつて、森友問題で籠池夫婦が幼稚園で教育勅語を拝唱させたり、大阪の日本会議会員などと勝手に名乗っていたことから、朝日新聞が籠池夫婦叩きよりも日本会議叩きに持っていったことがありました。
ところが、籠池夫婦は他の幼稚園と差別化する目的で右派のような顔をしていただけで、左翼の方が有利と見るとあっさりと左派に転じて政権批判を始めました。そのため、朝日新聞にとっては仲間となったため、商売のための右派だった籠池夫婦を批判できなくなり、日本会議批判も展開できなくなってしまいました。
反体制左派にとって、自民党の芯の部分になっている日本会議は目の敵です。それが、いま統一教会問題を契機に日本会議叩きに足を踏み入れられるチャンスが来たと思っているようで、前述のタグの通りです。
なおその裏には、そのように手を回す中国の存在があることは確かです。なぜなら、自民党政権が続く限り、憲法改正で国防は厚くなり、QUADの推進で中国包囲網がますます縮まってきます。これでは日本への直接侵略も、サイレント・インベージョン戦略【※1】もかないません。中国の利益のためには、メディアを含めた反体制左派に頑張ってもらわなければならないのです。
【※1】サイレント・インベージョン戦略:武力を行使するような表だった侵略行為ではなく、献金などを通じて「頭が上がらない」状態にすることで国の実力者を言いなりにし、最終的には実質的な属国・傀儡国家とする、というような他国への干渉の在り方。
ですから、いま一斉、日本会議叩きキャンペーンを始めたわけですが、統一教会と自民党の分離成功のようなことは起こせないと思います。なぜなら、自民党は利権集団という汚点が確かに存在しますが、自民党以外に国家と国民を守り抜く存在はなく、その思想を堅持するためには日本会議の存在は不可分なのです。
むしろ、日本会議叩きをやっているうちに、反体制左派に指示を出している中国の方が危うくなっています。
現在、崩壊寸前なのによくもちこたえていますが、習近平体制三期目以降、激変するのは確かで、反体制左派の方がよりどころを失ってしまいそうです。ソ連が崩壊した時は、中国に乗り換えることができた彼らにとって、中国崩壊後の乗り換え先はありません。
人や組織、あるいは国を貶めようとする人たちに待っている運命は自ずとわかると言えます。
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