赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

韓国の北朝鮮化がはじまった

2024-12-18 00:00:00 | 政治見解
韓国の北朝鮮化がはじまった



ユン大統領が完全に無力化されました。「レームダック」という表現を超える状態にあると言えるでしょう。

この状況では、次期大統領選挙への道筋が避けられず、次の政権は左派政党「共に民主党」が担う可能性が高いと考えられます。

同党の代表であるイ・ジェミョン氏は、極左的な思想の持ち主であり、前任のムン大統領を上回る反日・極左政策を掲げています。また、深刻な汚職問題を抱える人物としても知られています。

このような情勢において、韓国は反米・反日の方向へ急速に傾いていくでしょう。結論を先取りするならば、韓国は事実上、北朝鮮の間接統治下に置かれるような状態になる可能性があります。イ・ジェミョン氏が北朝鮮の意向を受けて動いているという見方もあります。

国際政治学者に詳細な解説をお願いしました。


日本に及ぶ悪影響

現在のところ、北朝鮮は統一について明確に言及していません。そのため、北朝鮮主導の統一国家がすぐに実現するわけではないのは幸いです。しかし、韓国国内では反日・反米的な政策が推進され、極左的な体制が進む見通しです。

このような政権が誕生すれば、日韓関係に大きな変化が生じるのは避けられません。特に、現時点で石破内閣が韓国との友好関係を重視する姿勢を示していることが、大きな問題となっています。


これまで日本は、韓国に対して様々な優遇措置を取ってきました。例えば、自衛隊機へのレーザー照射問題の棚上げや、通貨危機の際に韓国にドルを供給する通貨スワップ協定の再開といった対応です。さらに、半導体関連の制裁措置も解除されており、これらはすべて、ユン大統領を日本側に引き寄せる意図があったのでしょう。この判断が一定の理解を得られるとしても、私は当時から反対の立場でした。特に、自衛隊機へのレーザー照射問題については、韓国側に謝罪と責任者の処罰を求めるべきだったと考えています。

しかし、実際には問題が曖昧なまま放置され、韓国に対する対応が「ズルズル」と甘くなっている現状です。次に左派政権、さらには極左や反日的な政権が韓国で誕生する可能性を考えると、これまでの優遇措置を元に戻し、しっかりと制裁を行う必要があります。

ところが、石破内閣はこれらとは逆の方向性を取っています。その結果、日本がアメリカと対立する道を進む可能性が高まりつつあります。このような路線を取る政権は、自民党が戦後に誕生して以来、初めての「反米政権」となるでしょう。この点が非常に危険であり、日本の外交や安全保障にとって重大なリスクを伴います。

さらに、この状況は習近平政権の中国にとって、日本への影響力を強める絶好の機会となる可能性があります。石破内閣の政策は、日本をより一層危険な立場に追い込むものだといえるでしょう。


大統領が内乱罪に問われる??

韓国のユン大統領は、12月3日、深夜10時半ごろに非常戒厳令を発令しました。これは、現在完全に麻痺状態にある国政を立て直すための措置とされています。

日本のマスコミでは、ユン大統領がなぜ戒厳令を発令したのか理解できない、というような報道が見られます。しかし、この発令の背景は決して不可解なものではありません。ユン大統領の戒厳令発令時の演説を見れば、その理由が明確になります。

ユン大統領は演説の中で、現政権が国会の妨害によって機能不全に陥っていると指摘しました。韓国の国会では、300議席中200議席近くを野党が占めており、その圧倒的な優位性を背景に、行政府や司法府に対して独裁的な妨害を行っていると非難しました。その結果、政治が全く前に進まない状況にあるというのです。

具体的には、ユン政権発足後、政府高官や大臣を含む22名が弾劾訴追されています。今年6月に新たに発足した国会では、野党が優勢を誇り、10人以上の弾劾手続きを進めています。また、司法に対する干渉も顕著で、判事への圧力や、多数の検事の弾劾が行われており、司法業務が麻痺状態に陥っています。加えて、国家予算が通過せず、さらには大幅な削減が行われ、国家の基本的な機能が損なわれています。

ユン大統領は、これらの問題が韓国を「麻薬天国」へと変貌させ、民生や治安が危機的な状況に陥っていると述べ、野党を強く批判しました。



これは事実です。「野党『共に民主党』は予算案の成立を妨害し、さらに軍幹部の待遇改善にも反対しており、これも実現不可能となっています。予算妨害によって韓国の国家財政を破綻させようとしているように見えます。こうした行為は、大韓民国という国家の憲政秩序を踏みにじるものであり、憲法と法律によって正当性が認められている国家機関を撹乱しています」とユン大統領は述べています。

これらの行為は、内乱行為に該当し、反国家的な行為だとして戒厳令発動の理由とされています。この点については一定の正当性が認められる部分もあります。特に韓国は北朝鮮との対立を抱える国であり、安全保障の観点からもこうした問題は極めて重要です。しかし、これだけが戒厳令発動の背景ではありません。

実際には、ユン大統領が非常事態宣言に踏み切ったもう一つの理由として、支持率の低迷が挙げられます。直近の韓国の世論調査では、大統領の支持率はわずか17%で、反対率は70%を超えていました。この低支持率の背景には、第一夫人に関する収賄スキャンダルが大きく影響しています。

この収賄疑惑は、韓国における長い贈収賄の文化、いわば朝鮮半島に根付いた慣習が絡んでいます。韓国では右派・左派を問わず、大統領やその周辺が贈収賄に関与する事例が多く見られます。しかし、今回のスキャンダルは特に露骨であったため、国民からの支持を失ったのです。

加えて、ユン大統領はかつて検事総長を務めていた経歴を持つ人物でありながら、その妻の不祥事が注目されたことで、政治的な正当性に対する批判が高まりました。このような状況下で、国会の3分の2近くを左派野党に占められる事態となり、韓国の政治そのものが根本的な問題を抱えていると言えるでしょう。


李在明(イ・ジェミョン)の本質

次期大統領の最有力候補は、共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)という人です。

彼は前のムン・ジェインさん以上に反日的で親北朝鮮的な姿勢を持ち、しかも金銭面でも非常に汚い政治家です。この人は、いくつもの汚職事件で立件されているんですが、なぜか有罪にならず、今まで助かっています。「刑務所の塀の内側に落ちず、外側に落ちている」とよく言われます。まるで刑務所の塀の上を歩いているような人だと。そういう政治家なんですよ。それでも運が良いのか、あるいは陰で何かしらの力が働いているのか、壁の内側に落ちずに外側で済んでいるというわけです。



ただし、彼の周辺では、これらの汚職事件に絡んで、なんと6人もの人が不審死しているんです。

そしてこの李在明という人は、「日本解体論」を唱えるほどの反日派です。恐ろしい時代がやってきますね。こういう時代が来るというのは、大体見えています。そして、これは反日だけに留まりません。反日ということはつまり反米でもあります。そういう親北朝鮮的な考えを持っている人です。


韓国内の政治状況

現在の状況を整理すると、北朝鮮は「韓国とは一切交流しない」と明言しています。その理由は、南北間の交流によって北朝鮮の体制が揺らぐ可能性があるからです。北朝鮮の国民が韓国の実情を知れば、自国の貧しさや抑圧された状況を理解し、体制崩壊につながる危険性があるため、北朝鮮は交流を避け、自ら「鎖国状態」を選んでいるのです。

一方、韓国国内では、北朝鮮を賞賛する政治家たちが一定の支持を集めています。こうした勢力が大統領の座についたり、国会で多数派を形成したりすることで、北朝鮮寄りの政策が推進される可能性があるのです。

今回、保守派が辛くも大統領選で勝利を収めたものの、国会では依然として少数派のままでした。自由民主主義を掲げる「大韓民国」を守る勢力が、大統領選と国会の両方で過半数を占める状況には至らず、期待通りの成果を得ることはできませんでした。

韓国の政治状況を理解するうえで、私はよく「世界の政治勢力は4つの象限に分類できる」と述べ、その視点から説明を行っています。韓国の政治も、このような分類を用いて考察することが可能です。

韓国の左翼勢力とは何かというと、北朝鮮を「良い国」と見なし、その独裁的なナショナリズムを支持している人々のことを指します。確かにナショナリズムを持っていますが、それは北朝鮮の独裁的なナショナリズムと結びついたものです。例えば、「共に民主党」のような左翼勢力は、自らも独裁的ナショナリズムを掲げており、いわば左翼全体主義と呼べる性質を帯びています。このような特徴を持つ左派勢力が、韓国の政治において過半数を占めているのが実情です。

一方で、「国民の力」など、かつて朴正煕政権下で力を持っていた右派、つまり保守的で反共主義的な勢力はどうかというと、現在ではその姿が大きく変わっています。現在の右派勢力の中心には、無国籍企業的なグローバリズムに傾倒する人々が多く見られます。たとえば、サムスン、LG、SKハイニックスといった国際的な大企業がその象徴です。これらの企業を支持する右派が主流であり、かつてのような保守的ナショナリズムを掲げる勢力は影を潜めています。

要するに、韓国の現状では、民主的ナショナリズムを掲げる勢力は極めて少数派に留まっているということです。

韓国には、ナショナリズムを肯定しつつ、自由民主主義的な政治体制を堅持しようとする信念を持った人々は存在します。しかし、そのような人々は非常に少数派です。良心的なクリスチャンなど、一部の層がこれに該当しますが、政治的な勢力としては微力に留まっています。

一方で、韓国の右派、いわゆる保守勢力を見てみると、その多くが無国籍企業的なグローバリストとなっています。これにより、韓国の民主的ナショナリズムは非常に脆弱な状態にあると言えるでしょう。現在の韓国では、北朝鮮を支持する独裁的ナショナリストと、無国籍企業的なグローバリストが対立している状況です。そして、グローバリストは競争至上主義を推し進めるため、韓国社会は貧富の差が極端に拡大しています。いわゆる「勝ち組」と「負け組」の格差が広がり、社会全体が超競争的な構造に変わってしまいました。

かつての韓国には、日本の終身雇用制度を模倣した安定した雇用形態が見られましたが、IMFの支援を受けた後、そうした制度は消え去り、社会は一層の競争化を遂げました。この結果、現在の体制で不利益を被る人々は、左翼勢力に傾倒せざるを得ない状況に追い込まれています。

こうして、韓国の政治構図は、無国籍企業的なグローバリストと北朝鮮支持の独裁的ナショナリストの間で行われる、不毛な対立に終始しています。民主的なナショナリズムを掲げる勢力がほとんど存在しないことが、韓国政治の大きな課題であり悲劇なのです。

一言で言えば、韓国では自由民主主義が未だに十分根付いていません。選挙で一方の勢力が勝利すると、勝った側が敗れた側の元大統領に対して復讐を行うのが常態化しています。例えば、大統領職を離れた人物がほぼ必ず訴追され、刑務所に送られるといった状況が続いています。これは、右派も左派も共通して行っている行為です。

自由民主主義を成り立たせるためには、公正な競争を保証し、言論の自由を重視する政治文化が必要です。そのためには、民主的なナショナリズムが強くならなければなりません。しかし、韓国においてその基盤は極めて弱いままです。



日本が朝鮮半島を統治した約30年間、そして戦後のアメリカによる支配の下でも、韓国社会には中華文明の影響が根強く残り、賄賂や腐敗文化を排除することができませんでした。この結果、自由民主主義が韓国に定着することはありませんでした。これこそが、現在の韓国政治の悲劇を象徴するものだと考えられます。


そんな中で、現在の石破政権は非常に親北朝鮮的で、親韓国的な政策を取るという状況になっています。これを改めなければ、結果として反米という立場になってしまいます。以前もお話ししましたが、イギリスの反トランプ派のスターマー氏と組んで反トランプ活動を進めようとしているのが、今の政権の姿です。

現状では、これにさらに中国も絡んでこようとしています。中国はすぐ近くではないものの、外側から支援を得ながら、日英が組んで中国の力を借りて反トランプを進めようとしている。これが石破内閣の姿であり、日本にとってこれほど危険な内閣はありません。一刻も早く引きずり下ろさなければならない状況です。

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