赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

プーチンが人を見るときの唯一の基準

2023-08-29 00:00:00 | 政治見解



プーチンが人を見るときの唯一の基準:230829情報

ロシアの民間軍事会社、ワグネルの創始者・プリゴジン氏の死亡のニュース。彼を乗せたジェット機は、飛行中に突然、墜落し、乗員3人を含む、搭乗者10人は全員死亡したとのことでした。

ネット上では、今年の6月23日に、
プリゴジン氏による「反乱」があったことで、今回の死亡につながったのではないか、そう囁かれています。しかし、その反乱よりもさらに2ヶ月ほど前に、「プリゴジン氏の暗殺は決まっていた」とロシア情勢に精通する専門家は語ります。

その専門家が、
・プリゴジンとは一体何者なのか?
・なぜ殺されたのか?
・この事件は、ウクライナ戦争にどんな影響を与えるのか?
を解説していますので、許可を得て、転載いたします。


★プリゴジンの死はいつ確定したのか?

皆さんご存知だと思いますが、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジンが亡くなりました。

『朝日新聞DIGITAL』8月24日付。
〈プリゴジン氏のジェット機は、モスクワから北西部のトベリ州で墜落した。ロシアの独立系メディアによると、同機は高度8500メートルを飛行中、突然、墜落したという。ロシアの航空当局は、プリゴジン氏が搭乗していたと発表。乗員3人を含む搭乗者10人は死亡したと発表されており、プリゴジン氏の死亡は確定的な状況だ。〉


そして、プーチンも「プリゴジンの死」を認めました。

『毎日新聞』8月25日。
〈ロシアのプーチン大統領は24日、自家用ジェット機の墜落で死亡したとみられるロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者、エフゲニー・プリゴジン氏(62)に言及し、「犠牲者の家族に哀悼の意を示したい」と語った。ロイター通信などが伝えた。プリゴジン氏が死亡したことを事実上認めた形だ。〉


証拠がないので確定的なことは言えません。しかし、世界中の人々が、「なぜプリゴジンは死んだのか?」、「誰がプリゴジンを殺したのか?」について、同じ答えを出すでしょう。

プリゴジンの死。こうなることは、まさに想定内でした。プリゴジンの死は、いつ決まったのでしょうか?

一般的には、反乱を起こした6月23、24日でしょう。私は、「もっと前から彼の死は決まっていた」と見ています。反乱当日、私のメルマガ「ロシア政治経済ジャーナル」6月24日号の一部を転載しておきましょう。

【転載ここから▼】
〈さて、プリゴジンはこれまで、さまざま「ヤバイ発言」をしてきました。有名なところを挙げれば、5月5日、鬼の形相で、「弾薬の70%が不足している!、ショイグ!(国防相)、ゲラシモフ!(参謀総長)、弾薬はどこだ〜〜〜〜〜!?!?!?!?!」

5月9日には、プーチンのことを「おじいさん」、「ザコンチェンニー・ムダック」(日本のメディアは「クソ馬鹿野郎」と訳していました。)と呼びました。これでほとんどの人は、「プリゴジン終わった!」と感じたのです。ロシアでプーチンを批判する人の運命は、決まっている。〉


ーー

ここです。私が思うに、プリゴジンの死は5月9日に決まったのです。なぜ?

プリゴジンはそれまで、ショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長の批判をしてきた。ロシアで、それは許されることです。ロシアでは、メドベージェフ前大統領やミシュスティン首相の悪口をいくらいっても捕まることはありません。

しかし、プーチンの悪口を言った人にはリアルな〇が待っています。ちなみにプーチンは、「実績」とか「有能さ無能さ」で人を判断しません。彼がそういう基準を持っているなら、ショイグ、ゲラシモフはとっくに解任されていることでしょう。

プーチンが人を見るときの唯一の基準は、「プーチン個人に対する忠誠心」です。ここさえしっかりしていれば、ひどい目にあうことはありません。プリゴジンは、ロシア軍幹部を批判しまくっていた。ですが彼は、「プーチンには忠実」と見なされていました。

しかし、5月9日にプーチンを、「クソ馬鹿野郎のおじいさん」と呼んだことで「終わった」のです。だから、ロシアのことを知っている人は、「プリゴジンが死んだ」というニュースを聞いて、驚きませんでした。

もちろん、人が死んでいるので、気分は悪いです。


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