石破人気はメディアの作為
自民党総裁選を際立させた立憲民主党代表選
最初から余談になりますが、立憲民主党の代表選挙が終わって、新しい代表にリサイクルされた方がなられました。ここはメディアの予想通りの結果となりました。「昔の名前で出ています」の人たちが1,2位ですから、何の新鮮味もなく、打倒自民党、政権交代を叫んでも無理です。かつての民主党政権を思い起こさせるだけですし、支持基盤の労働組合も、「賃上げ」は安倍政権以降自民党主導になっていますから、骨抜きにされています。
この意味は、かつて、日本の赤化の中心的役割を果たしていた日教組という組織がありますが、今では考えられないのですがストライキなどを行って反日教育を主導していました。これに対して、時の田中角栄総理が教員の待遇改善に着手し、1974年「人材確保法」を成立させ、最終的に25%ほどの改善が行われました。この結果起きたことは、長い時間はかかりましたが、日教組の弱体化です。これと同様なのが自民党による「賃上げ要求」です。大手労働組合の意味はなくなったわけですから、立憲民主党も支持は広がりません。
自民党総裁選の報道レベル
そんな立憲民主党よりも自民党総裁選挙にはメディアも国民も関心を寄せています。自民党総裁=内閣総理大臣ですから、日本の未来を考える上では重要なのです。
ただ、この自民党総裁選報道については、メディアの悪い癖で面白おかしく、「政局」の論点で語られ、しかもメディアが誘導したい「裏金」、「統一教会」、「選択的夫婦別姓」など、国家百年の大計よりも自民党批判の方向で論ぜられますので、自民党総裁選も所詮、芸能人のスキャンダルレベルになっています。この原因はメディアの知性劣化に起因します。
そんなメディアですが、自民党総裁選に向けていろいろ報道していますが、客観的報道に見せかけて、彼らの仲間である立憲民主党と同じ思想の持主である石破茂氏を一押ししています。
「一番人気は石破氏」の怪
実際、保守側のイメージのある日本テレビの世論調査でも、「石破」上げを誘導しています。記事引用――
――2024/09/22 #自民総裁選 #自民党 #日テレ
日本テレビが、自民党の党員、党友を対象に独自に電話調査を行ったところ、石破元幹事長がおよそ31%を獲得して1位、高市経済安保担当相が続き、小泉元環境相が追いかける展開であることがわかりました。
電話調査で、自民党の党員、党友であると答えた人に、総裁選挙で誰に投票するか、たずねたところ、石破氏が31%でトップ、高市氏が28%で続き、小泉氏が14%になりました。「まだ決めていない・わからない」は6%でした。
この結果を党員・党友票に換算すると、368票のうち、石破氏が121票程度を獲得する情勢で、高市氏は110票ほど、小泉氏は54票ほどです。
一方、同じ368票の国会議員票の情勢について、取材したところ、今日までに小泉氏が50台なかばの票を固めており、石破氏は40票弱、高市氏は30票を超える票数を獲得する情勢です。
態度不明の議員は45人ほどいます。党員・党友票と国会議員票を合わせると、石破氏が、全体のおよそ22%の160票程度を獲得し、1位となる情勢です。2位の高市氏は140票を超える見通しで、小泉氏が110票弱で追いかける展開となっています。(以下略) ――
メディアの世論操作は失敗する
この記事を見ると、石破氏有利で、党員投票も勝ち馬に乗らせようという誘導を行っていますが、果たしてこのようにうまく行くかはわかりません。というか、無理です。
その理由は自民党総裁選を取り巻く環境が激変しているからです。
かつて、石破氏は安倍元総理と2012年と2018年、2度の総裁選を戦いました。2012年には石破氏が党員票を多く獲得しながら国会議員の決選投票で及ばずに敗れました。(党員票:2012年 安倍87票 石破165票、 2018年 安倍 224票 石破181票)
2012年のときはなぜ、党員票で勝ちながら安倍元総理に負けたのか?
当時の自民党は、民主党政権で下野していました。当時の自民党総裁はリベラルの谷垣禎一氏で小粒感は否めず、2012年の総裁選には出馬しませんでした。そこに、石破氏や安倍元総理が立候補したわけですが、当時のメディアは、右派の安倍元総理より左派の石破氏を強く推すことにより、自民党の弱体化と末期症状の出ている民主党政権の延命をはかりました。
それが功を奏して石破氏は、党員票一位を獲得しました。いわばメディアの手によって、操作された結果が出たことになります。ただ、国会議員票は石破氏の個人的人望、集金能力などの欠如で敗北しています。
今回もメディアは、政治と金の問題を追及する過程で、リベラルで自民党を左から壊しそうな石破氏に期待して、党員票で圧倒させることで、選挙に有利とのイメージをふりまいて議員票を広げようという作戦です。ですから、前述の日本テレビの党員世論調査を「作成」し、世論喚起を行っているのです。
石破氏が敗退する理由
しかし、これはうまくいきません。その理由の第一は、党員の本当の調査ではないからです。藤原かずえさんはX(旧ツイッター)の中で、日テレ調査そのものに疑問を呈しています。
――自民党員は人口の1%です。1000人の回答者を無作為抽出するには10万人に電話する必要があり、そうでない場合には特定の個人情報のリストが必要になります。日本テレビは、標本抽出方法を開示して、公明性と信憑性を国民に示す責任があります。これは情報セキュリティ上の大問題である可能性があります。――
第二に、石破氏に対する中国の押しが見られることです。
――オフイス・マツナガ@officematsunagaのXより
【衝撃!石破茂】高市潰し!中国が自民党総裁選に介入「石破を勝たせろ」極秘指令
不自然な「破推し」の大量のXのツイートがあった、どうやら、この工作は失敗。「試しにこの手のツイートを追跡したら、中国得意のAIによる工作の可能性」——
第三に、自民党の党員投票は閉鎖された集団の中での投票で、しかも、党員の利害関係がはっきりしています。名義貸しで党員名簿上に名を連ねていたとしても、その党費をまとめて払った人がその人の利害関係で投票するわけで、基本的に人気投票にはなりにくい。いくら、メディアが世論誘導をしても、誘導とは遠いところにいる人にはききめがないのです。
第四に、眼前のアジアが風雲急を告げる今、リベラル石破氏では何も対応できないし、党員も国民もその事実を知っているからです。事実、討論会などでは、石破氏は様々な課題について質問されても結論を言わず「議論しなければならない」というのが口癖です。危急存亡の事態、山積する様々な問題に「議論しなければならない」だけではすみません。現在起きている、中・露による領空領海侵犯、日本人学校襲撃事件など国家と国民の尊厳にかかわる問題について「議論しなければならない」で押し通す石破氏では不安ばかりつのります。
メディアの世論操作が終焉する9月27日
結局、今回の石破氏へのメディア誘導は失敗したも同然です。9月27日の結果をみればすぐにわかります。ただ、小泉氏か高市氏のどちらになるのかは予測がつきません。
なぜなら、自民党員という閉鎖された集団や利害関係で動く国会議員の本当の動きが読めないからです。いくらSNSで高市さんが圧倒的な人気を誇っても、また小泉さんが世論で圧倒的な人気を誇っても、それぞれの世論であって、党員や国会議員の投票行動とは無縁だからです。
ということは、9月27日の決選投票の開票結果が出るまでは誰もわからないということなのです。唯一言えることは、その結果、メディアの世論誘導は今後一切、有効ではなくなるということなのです。