赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

米議会、「中国共産党」打倒を鮮明化 230126情報

2023-01-26 00:00:00 | 政治見解



米議会、「中国共産党」打倒を鮮明化 :230126情報

今回のは、米下院特別委員会の名称で示される「中国共産党打倒」の決意を取り上げます。

2023年1月10日、米下院で対中国政策を考える特別委員会が作られました。

委員会の名前は「Strategic Competition Between US&CCP」で、中国全体ではなく、中国共産党を名指しで批判しているという異例なものです。

一体、アメリカ議会で今何が起きているのか? 
米中対立の中で、このニュースにはどんな意味があるのか? 

専門家に解説していただきました。



■米下院に作られた特別委員会

大混乱になった米下院の議長選挙は15回もの投票の末、ようやく1/7の未明にケビン・マッカーシー氏に決まりました。

そして、彼の公約通り、1/10に米下院では中国に関する特別委員会が結成されました。その委員会の名前は、「Strategic Competition Between US&CCP」。つまり、米国と中国共産党の間の戦略的競争に関する委員会です。

この名前には、「中国」ではなくあえて「中国共産党」という言葉が使われています。一国が、相手国の中の特定の政党を名指しでライバル視するというのは、通常では考えられないことです。ここに、中国共産党こそが敵であるというアメリカの姿勢が現れていると思います。

この委員会は法的な権限を持っているわけではありませんが、この成立には大きな意味があります。


■冷戦の覚悟を決めたアメリカ

委員会が具体的に何をやるのかは、委員長のマイク・ギャラガーや下院議長のケビン・マッカーシーの発言から読み解くことができます。

昨年の12月8日に、この2人が連名でFOXニュースにとある投書をしています。そのタイトルは『中国との冷戦中』。そこには、アメリカ政府は公には認めてはいないが、米議会の認識では「アメリカと中国は冷戦状態にある」という内容がはっきりと書かれていたのです。

この投書の中では、アメリカが中国と戦うために、必要な6つのポイントが言及されています。

1.脱・中国依存
2.軍事力の強化
3.知的財産保護
4.個人情報保護
5.台湾の防衛力強化
6.中国包囲網の構築

これに加えて、投書の中では登場していませんが、マイク・ギャラガーが委員長就任直後に言ったのが「コロナの発生源調査」が必要であるということです。

うやむやにされてしまった中国のコロナ発生の責任を追及するという意味で、この点も非常に大事なことです。


■アメリカと中国が本当の敵になる日

かつて、クリントン政権では、中国のことをStake Holder(利益の共有者)と呼んでいました。その後、トランプ政権では対中姿勢が厳しくなり、呼称もCompetitor(競争者)へと変わりました。

そして、今のアメリカ議会では、さらに中国の脅威は増しており、中国はChallenger(挑戦者)と呼ばれています。

しかし、米下院の動きを見ていると、アメリカの姿勢としては、もはやEnemy(敵)に近いと思います。

ケビン・マッカーシー議長の就任演説では、「米国は中国にあらゆる分野で協力したが、彼らは反米主義で我々に報いた」、「中国共産党は最大的・地政学的な脅威」という発言がありました。

つまり、現在の中国はアメリカの存続を脅かすほどの脅威になっているということ。

これから、米中対立はますます激しくなっていくことと思われます。



明日からは「Twitterファイル」を掲載します。


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