コラム(485):
情報統制と共同富裕――現代中国皇帝論①
11月17日の日中首脳会談でわが耳を疑うような発表がなされました。「経済協力や人的交流の推進でも合意」ということです。国際社会は中国から次々と撤退しているにもかかわらず、日本とドイツだけが目先の利益に目がくらんで、中国の手玉にとられていることはなかなか理解できないようです。
ドイツのオラフ・ショルツ首相は中国と蜜月関係にあったメルケル首相時代の財務大臣だった経歴の持ち主ですから中国との貿易に過去のうまみを感じているからかもしれませんし、岸田首相は親中派の宏池会ですから中国のいいなりになりやすいのかもしれませんが、それにしても、習近平氏の本質を知らなすぎだと思います。
当ブログでは3回にわたって、習近平中国がどのように進むのかの予測を、事例を交えながら論じながら、中国から一早く日本企業が撤退すべきことを強く主張したいと思います。
外国企業の中国離脱が止まらない
昨年11月、米国のIT大手で、中国で20年以上ビジネスをしていたYahooが市場から撤退しました。また、米国の大人気ゲーム会社、Epic Gamesが『フォートナイト』中国版のサービスを終了しました。さらにその前の月には、中国国内で5000万人以上のユーザーを抱えるマイクロソフト傘下企業、LinkedInが中国から撤退を発表しています。これで、米国の主要なSNSが中国から完全消滅したことになります。
なぜ、外国のトップ企業たちが14億人という巨大な内需を持つ市場から次々と姿を消しているのでしょうか。
その主な原因は、中国を締め出すという国際社会の流れに乗って、チャイナマーケットから抜けるというわけではありません。習近平氏が打ち出す異常なまでの“情報統制”が原因です。要は、外国企業を追い出そうとするような、厳しいルールが次々と増えていくことにより、企業経営者たちは、もはや、中国では自由なビジネスはできない、そう判断したからです。
一方の中国側はこのことを深刻に受け止めている風もなく、外国企業を追い出して中国国内の経済を活性化させるのかと思いきや、自国企業に対しては、「共同富裕」というスローガンのもと、半強制的に寄付金を収めさせる始末です。つまり、外国企業を追い出し、国内企業には成長を鈍化させる、何をしようとしているのか全く理解できない状況です。
これをある国際政治学者は、習近平氏の三つの奇行として分類し、その思想の淵源がどこにあるのかを指摘しています。
国際政治学者は次のように語ります。
なぜ、習近平は自分の国を壊すようなマネをするのか
国内市場をかき回し、いったい何がしたいのか?
中国支配する独裁者は何を考え、どこを目指しているのか…?
恒大集団の破綻危機にはじまりいよいよ本格的な「バブル崩壊」が噂される中国。そんな中、14億人のトップに立つ男、習近平が謎の奇行を繰り返していることをご存知でしょうか?
新聞を使ったオーバーな宣伝活動、行き過ぎた思想教育、ついには自国の経済破壊まで。日本の報道では習近平が暴走しているとしか伝えられませんが、一見,何のつながりもないこれらの奇行を紐解くと、習近平はまるで45年前に死亡したある人物に操られているかのような事実が見えてきました。
習近平氏の三つの奇行
奇行① 新聞を使った宣伝活動
真夜中の北京市を走っていた一台のタクシー。後部座席には2人連れの客を乗せていた。目的地到着まで少し時間があったので運転手は乗客に話しかけた。
運転手「最近は大気汚染がひどいね~」
乗客 「そうですね。汚染の改善は難しいですが、中国人の平均寿命が延びていることも注意したいですね。」
「しかも、政府は汚染改善に並々ならぬ決意を示している。」
「長い道のりだが、先進国もまた同じく苦しい道を歩んでいるのだろうな」
なんてお堅い答えなのだろうか。運転手は、どうも普通の客じゃないと思い、バックミラー越しに客の顔をまじまじと見た。
運転手「あんた、習近平国家主席に似ているってよく言われるんじゃない?」
乗客 「いや、言われたことはないね。私に気づいたのは君が初めてだよ」
そう、その客は習近平その人だった。
この話は、ある香港の新聞に掲載された記事の内容。ただ、現在の話ではなく、今から10年ほど前の出来事。習近平が国家主席に就任して間もないころだった。
自分はタクシーにも乗る庶民派で、市井の暮らしを第一に考えている名君だと言わんばかり。そもそも、襲撃や暗殺の危険性と常に隣り合わせの国家主席が真夜中の流しのタクシーなど捕まえるわけがないというのに、なぜ、ここまであからさまな嘘を流すのか、そこまでして、自分の宣伝をしないといけない理由があったというのか。
(つづく)
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