
『釜と水指』
湯木美術館 6月30日(水)まで サイトがリニューアルされてます
→こちら
この連休は好転に恵まれている。
おかげさまで、茶会疲れもなんのその。
GW後半5連休の4日目、かなり閑散とした御堂筋の淀屋橋渡った南側のオフィス街。
そんな中でもひっそりと開館していた湯木美術館。
でも、館内は珍しく(?)見学者が数組いて、ビックリ
というか、他の人がいると逆に落ち着かない
バッティングしないよう、あっちこっち蛇行しながらの観賞。
茶席における茶釜の役割は「席の主(あるじ)」といえる。
初座から退出まで、終始そこにあるから存在感は大きい。
対して、水指は「二番手」。
大きいけど、やはり脇役的な存在。
でも、名脇役であってこそ、茶席は引き締まり、盛り上がるもの。
そんな二つの存在に改めて気がつくことができた
かも。
西村道仁作の野々宮釜。 このユニークな形は何回か見たことある。
取り合わせて展示されていたのが、チラシにも写っている祥瑞の蜜柑(水指)。
やはり、これは炉の長板一つ置だなぁ
威風堂々とした茶席が目に浮かぶ。
この奥に掛っていたのが明恵上人筆の「釜の文」。
まず、釜の略図が書いてある。
「中納言殿に進上した釜はこんな形で(中略)詳細は今日会ってお話しします」
取り急ぎのメモのようなもの。
明恵上人といえば、栂ノ尾の高山寺の~というイメージしかなかった。
抹茶を釜で沸かしたお湯で飲んでいたんだなぁ。。。とリアルに感じられた。
(当たり前のことなんだけど、、、頭でなく、妙に実感できたというか)
宗旦の絵賛の前には山水図が描かれた古染付の水指と南蛮縄簾水指。
古染付は形が芋の子のようで、削りが入った感じがして手作り感があって素朴。
対して、南蛮の方は形が“優等生”
って感じ。
もう一つ、鏡餅をひっくり返したような形の南蛮砂張二重青海水指も平たくて風炉向き。
「これらの水指に合う釜って?」と思いながら進むと、芦屋の真形釜。
形がいかにも
って感じで美しく、松竹地紋が見事
しかも回転しているから、よく見える。
後はコレクションもの。
利休所持と伝わる与次郎作の四方釜と阿弥陀堂釜。
仁清の水指は東博にも似たものがあるけれど、ちょっと色合いが暗い?
遠州から近衛家に伝えられた古瀬戸の水指。(緑の釉薬の流れが貫禄ある)
同じく遠州所持と伝わる乙御前釜。
「乙御前」とはお多福のことで、形のカーブがお多福の頬と似ているから命名されたとか。
初めて知ったヨ
古天命釜はカン付が変わっていて「角耳」。
茶飯釜も清巌さんの字があるくらいだから古いものみたい。
この前の茶事で出てきたのと同じくらいの小ぶりさ。
隋流斎好の手桶水指は黒の真塗が威厳がある。
益田家に伝わったという信楽鬼桶水指の大きさにもビックリ。(バケツみたい)
本阿弥光甫の信楽芋頭は土を生かした釉薬が魅力だけど、やや“狙った”感がある。
最後に小間の取り合わせ。
真形切合の釜に唐銅朝鮮風炉、志野のやや平たい水指の取り合わせは涼しげ。
でも、水指は共蓋で点前の時、こわそ~
敷板が高台寺蒔絵でさりげない御洒落がステキ
てな感じで、他に人がいても堪能できた。
次回は9月11日(水)~「上方豪商の茶」(仮)
予告始めてくれたんだねっ
外に出ると、昼時というのにお店がどこも休み。
でも、いつも行くベトナム料理屋は開いていた。


やっぱり、このお店好きです。→参考記事
★参考~過去の湯木美術館訪問
2010年3月 『茶の裂地』
2009年11月 『棗と茶杓』
2009年5月 『千家十職-茶道具と懐石の器』
2008年10月 『茶道具と器にみる四季の花』
2008年3月 『茶碗を愉しむ』
2007年11月 『風流と美』
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湯木美術館 6月30日(水)まで サイトがリニューアルされてます

この連休は好転に恵まれている。
おかげさまで、茶会疲れもなんのその。
GW後半5連休の4日目、かなり閑散とした御堂筋の淀屋橋渡った南側のオフィス街。
そんな中でもひっそりと開館していた湯木美術館。
でも、館内は珍しく(?)見学者が数組いて、ビックリ

というか、他の人がいると逆に落ち着かない

バッティングしないよう、あっちこっち蛇行しながらの観賞。
茶席における茶釜の役割は「席の主(あるじ)」といえる。
初座から退出まで、終始そこにあるから存在感は大きい。
対して、水指は「二番手」。
大きいけど、やはり脇役的な存在。
でも、名脇役であってこそ、茶席は引き締まり、盛り上がるもの。
そんな二つの存在に改めて気がつくことができた

西村道仁作の野々宮釜。 このユニークな形は何回か見たことある。
取り合わせて展示されていたのが、チラシにも写っている祥瑞の蜜柑(水指)。
やはり、これは炉の長板一つ置だなぁ

威風堂々とした茶席が目に浮かぶ。
この奥に掛っていたのが明恵上人筆の「釜の文」。
まず、釜の略図が書いてある。
「中納言殿に進上した釜はこんな形で(中略)詳細は今日会ってお話しします」
取り急ぎのメモのようなもの。
明恵上人といえば、栂ノ尾の高山寺の~というイメージしかなかった。
抹茶を釜で沸かしたお湯で飲んでいたんだなぁ。。。とリアルに感じられた。
(当たり前のことなんだけど、、、頭でなく、妙に実感できたというか)
宗旦の絵賛の前には山水図が描かれた古染付の水指と南蛮縄簾水指。
古染付は形が芋の子のようで、削りが入った感じがして手作り感があって素朴。
対して、南蛮の方は形が“優等生”

もう一つ、鏡餅をひっくり返したような形の南蛮砂張二重青海水指も平たくて風炉向き。
「これらの水指に合う釜って?」と思いながら進むと、芦屋の真形釜。
形がいかにも


しかも回転しているから、よく見える。
後はコレクションもの。
利休所持と伝わる与次郎作の四方釜と阿弥陀堂釜。
仁清の水指は東博にも似たものがあるけれど、ちょっと色合いが暗い?
遠州から近衛家に伝えられた古瀬戸の水指。(緑の釉薬の流れが貫禄ある)
同じく遠州所持と伝わる乙御前釜。
「乙御前」とはお多福のことで、形のカーブがお多福の頬と似ているから命名されたとか。
初めて知ったヨ

古天命釜はカン付が変わっていて「角耳」。
茶飯釜も清巌さんの字があるくらいだから古いものみたい。
この前の茶事で出てきたのと同じくらいの小ぶりさ。
隋流斎好の手桶水指は黒の真塗が威厳がある。
益田家に伝わったという信楽鬼桶水指の大きさにもビックリ。(バケツみたい)
本阿弥光甫の信楽芋頭は土を生かした釉薬が魅力だけど、やや“狙った”感がある。
最後に小間の取り合わせ。
真形切合の釜に唐銅朝鮮風炉、志野のやや平たい水指の取り合わせは涼しげ。
でも、水指は共蓋で点前の時、こわそ~

敷板が高台寺蒔絵でさりげない御洒落がステキ

てな感じで、他に人がいても堪能できた。
次回は9月11日(水)~「上方豪商の茶」(仮)
予告始めてくれたんだねっ

外に出ると、昼時というのにお店がどこも休み。
でも、いつも行くベトナム料理屋は開いていた。


やっぱり、このお店好きです。→参考記事
★参考~過去の湯木美術館訪問
2010年3月 『茶の裂地』
2009年11月 『棗と茶杓』
2009年5月 『千家十職-茶道具と懐石の器』
2008年10月 『茶道具と器にみる四季の花』
2008年3月 『茶碗を愉しむ』
2007年11月 『風流と美』


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6月に青年部で関西方面へ美術館めぐりの研修旅行をするつもりで、今計画しています。
湯木もその中に入っているので、というか、Akatsukiさんところを参考にして計画してるんですけど(笑)、面白そうで、楽しみです。
大西も面白いんですね。あと、滴翠と。
ありがとうございますです、本当に。
私のバイブルです。
研修旅行ですかぁ。うらやましい。
湯木美術館ならば新大阪から移動しやすいですしネ。
せっかく行くのであれば、予約して学芸員さんに解説してもらいながらの見学がオススメします。
(個人での観賞はあれこれ考えながらだし、想像が入っちゃうのでしんどい)
それと、湯木美術館だけだと物足りないかもしれない。
すぐ近くに適塾もあるから、そちらも回られてもよいかも。(茶道に関係ないけど)
滴翠は研修の一環で行くのは、ちょっと苦しいかも。
(問い合わせてみて、陶芸教室とセットにするという方法もありますが)
大西さんのところは、5人以上ならば「お釜に触れる会」として予約された方がよいでしょう。
今の展示、ワタシはめっちゃいいと思うし、歴代のお釜に触れる体験はすごーく勉強になります。(←5年前に経験済み)
東大寺はママと一緒でした。久しぶりに関西弁炸裂で楽しいお茶会道中でしたワ。