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本能寺の変 「明智憲三郎的世界 天下布文!」

『本能寺の変 431年目の真実』著者の公式ブログです。
通説・俗説・虚説に惑わされない「真実」の世界を探究します。

本能寺の変:情報はこうして集めた(研究本読破)

2010年04月20日 | 謎はこうして解けた!
(4月20日 【推薦本】を追記)
 インターネットでの情報収集で悟ったのは、やはり整理された情報を収集しなければならないという基本的なことでした。
 そこで、歴史研究家の書いた本を読み漁って情報を集めることにしました。以前読んで本棚にしまってあった本を引っ張り出して読んだり、本屋やインターネット書店で買って読んだりと、2004年8月から10月ぐらいまでに30冊程度を読んだでしょうか。
 読む場所は例によって私の「動く書斎」、つまり通勤電車の中です。横浜の東戸塚から東京の半蔵門まで通っていたので、片道1時間は読書に集中できました。それまで長く感じていた通勤時間がとても短く感じるようになったことを思い出します。読書に集中していて乗り越してしまったことも何度かありました。実に楽しい時間を過ごしたと思います。どんな本を読んだか文末に一覧しておきます。
 問題はその先でした。
 私は2005年1月までに本の原稿を書かなければならなかったのです!!
 その経緯は前回も書いたとおりです。
 ★ 情報はこうして集めた(まずインターネット)

 ところが、本を読んだだけではとても「これが真実!」といえるものは見つからなかったのです。どの研究者の本からも重要な新しい知識を得ることができましたが、どの研究者の説も納得できるものではありませんでした。
 むしろ疑問が膨らみました。
 なぜ、こうも物語に過ぎない軍記物の記述を推理の根拠に使うのだろうか?
 なぜ、こうも光秀個人の感情に謀反の動機を求めるのだろうか?(いじめられたから、天下が欲しかったから、出世の望みを断たれたから、誰かに唆されたから?これでは現代のサラリーマン物語か新聞の三面記事をにぎわす事件ではないか)
 ★ 本能寺の変は三面記事?!

 なぜ、こうも謀反を成功させた方策に無関心なのだろう?(謀反を成功させるのはかなり困難な状況だったはずなのに)
 なぜ、こうも政権樹立・維持の方策に無関心なのだろう?(謀反を起こすからには政権を取って生き残る策を立てていたはずなのに)

 こういった疑問は私が企業人だったから抱いたと思います。企業という組織の論理や意思決定のプロセスを理解しているものから見ると、ごく自然に疑問がわいてきたのです。「責任ある人物が個人的な感情で重大決定をするだろうか?」、「成功の目算も立てずに謀反に踏み切るだろうか?」、「謀反は周到な準備がないと成功しないプロジェクトなのでは?」

 実は、真実解明を始めたときには、ある恐れがありました。それは先祖・光秀の本当の姿が見えたとき、ひょっとして、それがとてもいやな人物像だったらどうしよう、という恐れでした。
 しかし、ここまで調べてむしろ逆の思いにとらわれました。先祖・光秀は研究者によって随分みすぼらしい人物におとしめられていたのだと気付いたのです。「いじめられたぐらいで上司を殺してしまう人物」、「一族郎党を死にいたらしめるような重大事を後先考えずにやってしまう人物」・・・・随分、無責任で無策な人物です。そんな馬鹿なことはあり得ないと思いました。「先祖の間違った人物像を正したい!」という思いがふつふつとわいてきました。

 そこで、これを主題とした本を書くことに心を決めました。「世の中にはこういった説がある。この部分は史実と認められる。しかし、ここは根拠がない。そもそも戦国武将に対する視点が狂っている。正しい視点で本能寺の変を捉えなおすとこうなる」といったことを書くことにしたのです。

 ところが、ここで完全に暗礁に乗り上げてしまいました。
 原稿が書けない!!!
 さあ書こうとパソコンの前に座ったのはよいのですが、どこからどう書いてよいのか全くわからず、一文字も書き出すことができないのです。
 これは意外でした。私は仕事で若い頃からたくさん文書を書いてきました。文書を書くのは得意だという自負もありました。それが一文字も書けないとは・・・・
<<続く>>

【読んだ本の一覧】
 明智瀧朗 『光秀行状記』(著者は私の祖父)
 高柳光壽 『明智光秀』
 高柳光壽 『本能寺の変』
 八切止夫 『信長殺し、光秀ではない』
 藤田達生 『本能寺の変の群像』
 藤田達生 『謎とき本能寺の変』
 桐野作人 『真説本能寺の変』
 谷口克広 『検証本能寺の変』
 小和田哲男『明智光秀』
 二木謙一編『明智光秀のすべて』
 佐藤香澄編『俊英明智光秀』
 菅英志編 『歴史読本 細川幽斎と明智光秀』
 安部龍太郎ほか編『真説本能寺の変』 
 新井邦弘編『激震 織田信長』
 山本光編 『別冊歴史読本11 明智光秀』
 (以下は関連本)
 稲垣史生編『春日局のすべて』
 祖田浩一 『春日局58話』
 藤本正行 『信長の戦争』
 谷口克広 『信長軍の司令官』
 谷口克広 『織田信長合戦全録』
 谷口克広 『目からウロコの戦国時代』
 圭室文雄 『天海・崇伝』

【その後に追加して読んだ本の一覧】
 円堂晃  『本能寺の変 本当の謎』
 井上慶雪 『信長謀殺 光秀でない。』
 鈴木眞哉ほか『信長は謀略で殺されたのか』
 桐野作人 『だれが信長を殺したのか』
 小池徹郎編『本能寺の変』
(以下は関連本)
 谷口研語 『美濃・土岐一族』
 藤本正行ほか『偽書「武功夜話」の研究』
 谷口克広 『信長と消えた家臣たち』
 今谷明  『戦国 三好一族』
 籔景三  『筒井順慶とその一族』
 藤田達生 『秀吉神話をくつがえす』
 橋場日月 『服部半蔵と影の一族』
 加来耕三 『細川家の叡智』
 柴辻俊六 『信玄の戦略』
 河合正治 『安国寺恵瓊』
 盛本昌広 『松平家忠日記』
 松田毅一 『南蛮史料の研究』
 松田毅一ほか『回想の織田信長』
 今谷明  『戦国時代の貴族』
 朝倉慶景 『長宗我部地検帳にみる上方の人々』
 山本大編 『長宗我部元親のすべて』
 富島保次郎『松井康之伝』
 蓑田田鶴男『松井佐渡守康之・松井佐渡守興長』
 岩沢愿彦 『織田政権の研究:本能寺の変拾遺』
 染谷光廣 『織田政権の研究:織田政権と足利義昭の奉公衆・奉行衆との関係について』

【推薦本】
信長の戦争 『信長公記』に見る戦国軍事学 (講談社学術文庫)
藤本 正行
講談社

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信長は謀略で殺されたのか―本能寺の変・謀略説を嗤う (新書y)
鈴木 眞哉,藤本 正行
洋泉社

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偽書『武功夜話』の研究 (新書y)
藤本 正行,鈴木 真哉
洋泉社

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美濃・土岐一族
谷口 研語
新人物往来社

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戦国 三好一族―天下に号令した戦国大名 (洋泉社MC新書)
今谷 明
洋泉社

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服部半蔵と影の一族 (学研M文庫)
橋場 日月
学習研究社

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長宗我部元親のすべて 新人物往来社
筒井順慶とその一族 籔 景三 新人物往来社
安国寺恵瓊     河合正治 吉川弘文館

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