民話 語り手と聞き手が紡ぎあげる世界

語り手のわたしと聞き手のあなたが
一緒の時間、空間を過ごす。まさに一期一会。

「しゃべりの基本」 馬越 ふみあき 

2013年04月30日 01時57分03秒 | 日本語について
 「しゃべりの基本」  「大道芸大全」所載  馬越 ふみあき 著  1998年

 大道芸アーチスト協会の五味大助氏は「バナナの叩き売り」の世界ではトップアーチストの一人である。
もともとは新劇の俳優でコメディアンをしていたが、先輩芸人のバナナの叩き売りをみて、
「自分もやってみよう」と思ったそうだ。
その先人の「しゃべり」「話の方の面白さ」に惹かれたのが、きっかけだった。

 「人の話し方には、『大小、高低、緩急、強弱』の八つと、『間』を加えた九つの基本がある。
『しゃべる』ということは、誰にでもできることだが、
このしゃべりをお金という経済行為に変える技術に、大きな違いがある」と言う。

 こう考えると、決して、しゃべると言うことは簡単なことではない。
押し込んで行くとき、引くとき、流すとき、その時々に相手の様子を感じながら、
声やリズムや話を巧みに変えて行くのである。

 とくに、間を生かすことで話の幅は大きく変化する。
「間は魔なり」というのは徳川夢声の名言だが、まさにその通りである。