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「大往生したけりゃ医療とかかわるな」 中村 仁一 その2 

2013年10月22日 00時09分02秒 | 健康・老いについて
 「大往生したけりゃ医療とかかわるな」自然死のすすめ  中村 仁一著  幻冬社新書 2012年1月

 「自然死」の年寄りはごくわずか P-49

 死に際は、何らの医療措置も行わなければ、夢うつつの気持ちのいい、
穏やかな状態になるということです。
これが、自然のしくみです。
自然はそんなに過酷ではないのです。
私たちのご先祖は、みんなこうして無事に死んでいったのです。

 ところが、ここ30~40年、死にかけるとすぐに病院に行くようになるなど、様相が一変しました。
病院は、できるだけのことをして延命を図るのが使命です。

 しかし「死」を、止めたり、治したりすることはできません。
しかるに、治せない「死」に対して、治すためのパターン化した医療措置を行います。
例えば、食べられなくなれば鼻から管を入れたり、
胃ろう(お腹に穴を開けて、そこからチューブを通じて水分、栄養を補給する手技)によって栄養を与えたり、
脱水なら点滴注射で水分補給を、貧血があれば輸血を、小便が出なければ利尿剤を、
血圧が下がれば昇圧剤というようなことです。

 これらは、せっかく自然が用意してくれている、ぼんやりとして不安も恐ろしさも寂しさも感じない
幸せムードの中で死んでいける過程を、ぶち壊しているのです。