民話 語り手と聞き手が紡ぎあげる世界

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「徒然草」 第155段 世に従はむ人

2016年02月10日 00時26分52秒 | 古典
 「徒然草」 吉田兼好 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 角川ソフィア文庫 2002年

 無常迅速ということ――世に従はむ人 第155段 (「清貧の思想」中野孝次の中で紹介)

 世の中の動きにうまく合わせようとするなら、何といっても時機を見逃さないことだ。事の順序が悪いと他人も耳を貸さないし、気持ちがかみ合わないので、やることがうまくいかない。何事にもふさわしい時機というものがあることを、心得ておく必要がある。ただし、発病や出産や死亡だけは時機を予測できず、事の順序が悪いからといって中止になるものでもない。

 この世は、万物が生じ、存続し、変化し、やがて滅びる、という四つの現象が絶えず移り変わるが、この真の大事はまるであふれんばかりの激流のようだ。一瞬もやむことはなく、この大事は実現・直進して行く。だから、仏道でも俗世でも必ずやりとげたいことがある場合は、時機をとやかく言う暇(いとま)はない。あれこれと準備時間を取ったり、途中で休んだりすることは禁物である。



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