標高330mのモノローグ

富士山の10分の1、東京23区最高峰の10倍の山間に暮らして20年。地域の自然や思いを綴ります。

「ピラミッドの大空間を発見」は果たして歴史的大発見なのか?

2017-11-06 18:40:12 | 日記

本題に入る前に、我が家の紅葉の紹介。
妙義山に行ってから5日が過ぎた。わが家の辺りは、今朝は2℃代まで冷え込んだ。庭にはブルーベリーとモミジの葉が紅葉している。妙義山に劣らない色づきだ。


11月4日付け朝日新聞の番組表

先週の土曜日(4日)NHKスペシャル「エジプト大ピラミッド透視で巨大空間現る!日本人が歴史的大発見 ミイラや黄金はあるか」と長々しい表題で新聞のテレビ版に載っていた。興味があったので視聴した。

私が20歳半ばまで過ごした実家だが、道路を挟んで東側には、丘陵の登り口があった。人がひとり通行できるほどの小道だ。犬の散歩がてらよく登った。丘の上から南を眺めると相模湾、西には箱根連山が一望でき、その奥には富士山がそびえていた。そんな眺望の良い丘陵一帯は縄文時代の遺跡が出土していた。調査がおわって荒れ地となった丘に行くと、土器や石器のかけらがあって、それらを収集するのが密かな楽しみであった。

そのようなこともあって、和洋を問わず古代史には興味があった。中学時代にはツタンカーメンの黄金マスクの展示を見に上野まで行ったことがある。それ以来、発掘に係るドキュメタリーやエジプトの歴史に関する物語に興味を持った。過去の遺跡を探るというのはロマンティックでミステリアスだ。

今回、放送の冒頭でツタンカーメンに次ぐ大発見か?などと、アナウンスされていた。
しかし、視聴後は一つの事項(ミューオンを使って透視する技術)以外は失望した。NHKが今回の調査に初めから関わっていたので、自己宣伝したかったのだろうが、大発見という触れ込み内容は期待外れであった。クフ王に関するミイラや黄金が発見されたわけでもない。30mの巨大な空洞があるのが分かっただけだった。放送後、表題に偽りありの感が歪めず、落胆した。

くしくもこの放送の翌日、「エジプト考古学者、ピラミッド内に空洞発見の発表を批判」という記事が配信された。それも、スキャンピラミッド科学委員会のザヒ・ハワス委員長による発言だ。これは新たな「発見」ではない、ギザの大ピラミッドはもとから空洞だらけで、空洞がみつかってもそれが直ちに秘密の部屋の存在や新発見にはつながるものではないという。

このエジプト考古学者の発言に表出されている通り、放送された内容は、「空洞が確かめられた」といった方が適しているのではないか、と、思うのは私だけでないだろう。
コメント
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