標高330mのモノローグ

富士山の10分の1、東京23区最高峰の10倍の山間に暮らして20年。地域の自然や思いを綴ります。

今更ながら・・・「伊豆の踊子」の思い出

2017-11-22 19:13:06 | 日記
今日のNHK朝ドラ「わろてんか」を見ていて、耳に留まった言葉があった。あまりドラマの内容とは関係ないが、その言葉は「活動写真」(映画)だ。私の個人的な思いである。



昔、吉永小百合さん、高橋英樹さん両名が主演の映画「伊豆の踊子」を思い出した。調べたら1963年の作品だった。
この映画の終盤、主人公の書生と踊り子とのやり取りだ。下田に着いたらふたりで活動(映画)に行く約束をしていた。そのときの踊子のセリフが「活動に連れていって下さいましね」だったと思う。同じような繰り返しが何回かあった。

何故、このセリフが残っているのかというと、私の中学時代は個人的な異性との交流はあまり行われていなかった。グループ交際といって、男女それぞれ、複数で映画や美術館に行ったり、ハイキングに行ったりしていた。今思えば、なんと健全な付き合いであったのかと改めて感動する。中卒後もこの時の仲間と暫くは、グループ交際が続いていた。このグループ・メンバーのある女子は、この映画鑑賞の後、踊り子が「かつ丼に連れていってください」と言っていたように聞こえていたと話した。皆で大笑いした覚えがある。

これ以来、「伊豆の踊子」と「吉永小百合」という言葉を聞いたり、見たりすると、自動的に"活動"を連想する。

私が「伊豆の踊子」を忘れられないのは、この作品が私の青春時代の多くを占めたからだ。この映画の後だったか、中学時代の同級生と卒業記念として、男3人で、踊り子が歩いたコースを辿り、天城越えをしたことがあった。つづら折りの道、天城トンネルなど小説や映画に出てくる情景と現実とを重ねながら歩いた。

また、大学時代、ゼミの合宿で河津七滝(かわづななだる)の民宿に2泊したこともある。その時も川端康成氏が執筆していた旅館などを見学した。

そして、川端康成氏の書いた小説の分析を卒論のテーマに選んだ。

大学時代の同級生の話では、そのころの私は機会あるごとに、「『伊豆の踊子』は永遠の初恋を描いている」と語っていたようだ。大学を卒業すると同時に、ロマンチックな世界とも別れて、現実路線を歩んできた。

しかし、未だに心の中では「伊豆の踊子」を探し続けているのかもしれない。また、映画が見たくなった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする