標高330mのモノローグ

富士山の10分の1、東京23区最高峰の10倍の山間に暮らして20年。地域の自然や思いを綴ります。

「エスカレーター『片側空け』しないで!」の訴え? それよりバリアフリーのエスカレーターの開発を願うのだが。

2019-02-19 22:28:35 | 日記
河北新報によると仙台市交通局が「エスカレーター『片側空け』しないで」とエスカレーターのベルトに「片側空け」をしないよう訴えるラッピングを施したとのこと。
わが国では片側を空ける利用法は、1970年の大阪万博の際、外国人がやってくるので、英国の方法に習ったとの説があるそうだ。阪急電鉄が梅田駅で「左側をお空けください」と放送を始めたのが始まりとのこと。
英国以外でも、エスカレーターの片側空けが習慣化している国があるという。

一方、東京では、地下鉄駅が増えた80年代末から、片側空けが始まったらしい。鉄道会社の呼びかけでなく、自然発生的に始まったとのこと。そして東京では、右側空けだ。左側空けは大阪、奈良、兵庫などの関西圏で、地方は右側空けのようだ。それは新幹線網により地方は東京と同じ暗黙のルールになったという。

私の大学時代には、あまりエスカレーターはなかったように思う。ましてや片側空けを意識したことはなかった。やがて就職し、1983年から職場が東京になった。その時から右側空けが習慣化していった。

そして、「エスカレーターでは歩行しないように」というメッセージがデパートや一部の駅などで流れていた記憶がある。

もともとエスカレーターは、歩行を想定して作られていないこと、躓いたりして危険であると、安全面から「歩行しないように」と注意されてきた。しかし、「片側空け」の暗黙のルールは、依然と続いている。

エスカレーターの転倒事故もあるが、一方で階段利用における事故もあるという。一概に事故はエレベーターの方が多いともいえないとのこと。
英国では100年前から、片側(左)空けが根付いているという。今回、仙台局が発した「片側空けをしないよう」にとの訴えは、どうなっていくのだろうか?

エスカレーターの普及の一因にバリアフリーの影響もあるという。高齢者などが長い階段を歩かなくても良いようにとのことからだが。
しかし、果たしてエスカレーターはバリアフリーなのだろうか?

車椅子使用者は利用できない。視覚障がいの人も利用できないことはないが、乗り降りのときのリスクは増す。これではバリアフリーの乗り物とはいえない。

一方、エレベーターは、多くの障害のある人が利用できる。しかし、ドラマなどで表現されるが、密室で見知らぬ人と密着した利用となり、無言のやり取りがあるようで息苦しさを覚える。エレベーターに乗るためには、ボタンを押し待たなければならない。
だが、エスカレーターは自分が乗りたいタイミングで乗れる。前後に人はいるが、エレベーターとは異なり、密室ではない。また、他人との関わりは極めて少ない。あたかも電車の指定席に乗るように、自分が踏んでいるステップは小さな面だが、指定席的な意味合いがある。そして、周囲の景色(風光明媚ではないが)が見られ開放的だ。

エスカレーターの「片側空け」をなくそうとするなら、ほぼ一人幅のエスカレーターのみの設置にするなどの工夫を行えばよい。または、頑強な歩けるエスカレーターにしてしまい、「歩けるエスカレーター」にするかだ。後者の方が現状の社会にあっていると思える。

それよりも、もっとバリアフリーなエスカレーターを開発して欲しいと願う。例えば、スキー場のリフトのように、乗るタイミングを計れるものにする。それに加え、車いすの人が乗れるような、広いステップにするなど。各種ロボットが活躍する現在の技術をつぎ込めば、より効果的なバリアフリーのエスカレーターに類する乗り物を作るのは容易なことだと思うのだが?
コメント
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