大分県にある健男霜凝日子神社の御祭神に纏わる話や伝説のまとめを書いて置きます。マニアックです。
健男霜凝日子神は、穴森神社の嫗嶽大明神とも言われています。
大分県と宮崎県にまたがる標高1756メートルの祖母山の山頂の上宮に鎮座し、天候の守護神として崇敬されています。
配祀は4柱
豊玉姫 神武天皇の祖母、竜宮城の乙姫
彦五世彦 神武天皇の兄
大太夫夫婦 華本姫の両親
華本姫 嫗嶽大明神(健男霜凝日子神)の妻で、宇田姫社のご祭神。
※神殿の清水の湧出する穴そのものがご神体で女神を表すものといわれている。また、ご神体である穴は、遠く祖母山のふもとの姆嶽岩窟に通じているとされています。
※華本姫の佐伯に纏わる伝説
夜な夜なくる男、夜這いにて姫と交わった男性に針をつけて見つけにいくと大蛇だったという、佐伯に纏わる伝説あり。豊後大神氏の祖、大神惟基が蛇神の子という言い伝えから始まる。平家物語の繯巻記。
(”おだまき”記、「緒環」とも)
おだまき伝説は奈良県三輪にもあります。
「古事記」に残る有名な伝説。
美しい活玉依昆売(イクタマヨリヒメ)のもとに夜毎立派な男性が通ってきて、やがて姫は身ごもる。姫の両親が問うたところ「姓も名前も知らない」と言うので、両親は姫にその男性の衣の裾に糸のついた針を刺しておくように教える。
両親の言う通りいうにしたところ、朝起きると、衣の裾につけた糸は戸の鍵穴を通って外に出ており、オダマキ(苧環)に残った麻は三勾(三輪)だけで、糸を辿ると三輪山の大神神社まで続いていたので、男は三輪の神であり、生まれる子どもは三輪の神の御子(オオタタネコ)であるとわかった。
そして、このことから、この地を「三輪」というようになったそうである。
とのこと。
三輪山と祖母山の話、そっくり過ぎます!てか、流れは同じ。
合祀をみていきます
面足尊、かしこね尊
この二柱は、神代6代目の夫婦神で、神代7代目(イザナギ、イザナミ)の親とも呼ばれていて、神や人の身体を完成することがお役目であり、容貌、面貌に託して表した神様のようです。
猿田彦命
国津神で、天尊降臨、瓊瓊杵命の道案内をした。
大山祇神
イザナギとイザナミの神産みにおいて生まれた神様であり山神様
木花開耶姫尊
山幸彦の母、大山祇神の娘(姉の石長姫に比べて容姿端麗。夫は瓊瓊杵命。1夜で懐妊したことを夫に疑がわれ、産屋に火をつけて身の潔白を証明する。美しいが潔い。桜の花を想像させる姫様。)
奥津彦尊、奥津姫尊
二柱あわせ、大戸比売神(おおべひめのかみ)スサノオと大山祇神の娘カムオオイチ姫の孫にあたり、カマドの神様、火の神様とも。三宝荒神におきかえられています。
※ 三宝荒神とは、清浄と尊び不浄を嫌うという非常に潔癖な性質を持つカマド神は、不敬には怒り焼き尽くします。
大巳貴尊
スサノオの娘スセリビメの夫で、のちの大国主命。優しくて、因幡の白兎を助けます。意地悪な八十神のお兄さん達をやっつけて、大国主命となって国を治めます。国津神の代表であり、天津神に国譲りして出雲へ。出雲大社や、大神神社の祭神。
少彦名命
大国主命の心から信頼した小さな神様で、国造りを助けますが、途中でバイバイします。
菅原道真
太宰府で陰謀により悲しい死を遂げた平安時代の秀才。雷神として太宰府天満宮に祀られている。
ちなみに、健男霜凝日子神社の関連社穴森神社の御祭神には、
神武天皇の父ウガヤフキアエズや、宗像三女神の市杵島姫(航海の神様)もいらっしゃいました。
神様を人のようにみたてた日本神話。日本昔話にも繋がる。奥深いです。神社には縁ある神様が一緒に祀られているので、どの神社の御祭神もそこの土地や縁ある人を見守って下さっているのだと思います。
おわり
【画像は穴森伝説より】