「私たちの空間内での行動は空間を変え、私たち自身を変え、他者も変える。
私たち動作は空間に置かれた物を変え、それが私たちや他者を変える。
それらは私たちの思考と他者の思考を変える。
私たちのつくったもの(これらの言葉のように)は目の前の空間にとどまり、
誰かーーー私たちが知るよしもなく、想像もしない人々ーーーの思考を変える。」
『Mind in Motion - 身体動作と空間が思考をつくる』
How Aciton Shapes Thought
バーバラ・トヴェルスキー 著
この本は、空間 ー 知覚 ー 行動 ー 思考 ー 表現 ー 空間 ー という循環を詳細に記している。
「心の中の世界は、空間の中での動作と感覚により、自身の身体を通して他者の身体を理解し、自分と他者の動作を協調させることができる、、、」と脳科学のミラーニューロンの働きから説き、人・場所・物、いまここ・あのときのあそこ、とまわりの空間の思考、変換にしかけを解く。
また、身体は手の動きからジェスチャーとなり、他人の思考に働きかけ社会的なつながりを生む。
自身と他者(身体中心・周囲の世界中心)の視点が、会話・思考の空間をつくる。
点・箱・線・ネットワークといった単純な幾何学的形態が、空間・時間・数字・視点・因果・その他すべてのものについての思考を表現する。
人がつくりだす空間は、地図・ダイアグラム・スケッチ・説明・コミックとして、デザイン・科学・アートされるページの対話に表現される。
私たちの空間での動作が世界をデザインし、そのデザインが抽象的パターンを生み、それが目を引き付け、心へと伝える。
動作がジェスチャーへと抽象化されて思考に働きかけ、パターンやダイアグラムとなって思考を伝える。
空間での動きが抽象を生む スプラクション(Space Action abstruction)」
アフォーダンスという認知の始まりから行動科学、そしてメディア、空間へと、生活意識全般を横断してきたこの書は、
『モノとこころ』の関わりを追求してきたこのブログの足取りを整理してしまったようだ。
個人から社会へ、その軌跡としての’まちひと空間研究’へとつなぐ、マイルストーンの本に出合った。
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