蜘蛛の卵
孵化するのは・・・・ . . . 本文を読む
時代も国も違う二つの映画、共通点は残された老父
シュミットの住む町は、ICメモリーのようなアメリカの郊外住宅
大型のキャンピングカーも老妻に先立たれた後は、
日常の買物から娘の結婚式への放浪の宿。
「東京物語」では、瀬戸内、
尾道から都会へ出た子供達を老夫婦が訪ねる。
それぞれの所帯を抱える長男・長女の家やら、
熱海の温泉を廻ったあげくは、「宿無し」気分。
シュミットに描かれる街は、住宅街 . . . 本文を読む
「音と文明」 大橋力 著 岩波書店 2003年10月28日発行、を通読した。
「肉中の哲学」(ジョージ・レイコフ、マーク・ジョンソン共著)が、
メタファーにて肉中を具有したマインドを表現し、
「内臓が生みだす心」 (西原克成著)が、
生命構造からマインドと精神の在りどころ、繋がりを
のべていたのを追いかけてきたところだった。
この「音と文明」は、
デカルトの物質・精神二元論の行き着いた近代の限 . . . 本文を読む
日曜の朝は、ホットケーキの焼く匂い
取り立てて急ぎごとのない日曜日、
台所からふわっとにおってくるホットケーキの香りに
ゆっくりと寝床から、何も急ぐこともなく手足を伸ばし、
起き上がり立ち上がる。
もう床がひんやりと、スリッパなしでは冷えがくる季節
夜明けも、日が昇るのも遅く、はや9時もまわり、
ガウンを羽織って朝の紅茶が温かい
日曜日の朝食は、ベッドの中の香りからゆっくりと
「ママ、もう焼 . . . 本文を読む
「蹴りたい背中」
身体に溜まった衝動としての蹴りでしか伝えられない気持ち、
「電車男」
夜毎のネット掲示板2チャンネルに書き込まれてゆく多弁、
「電車男」でのネット掲示板という身体も生活地域も共有しないが言葉での自由さの中、
電車の中でのぎこちない行動を書き始めた”電車男”が、
匿名の世界から、固有名の世界の両方を行き来する。
「蹴りたい背中」では、自分の中で循環している意思と、
身体を動かし . . . 本文を読む
「肉中の哲学」ジョージ・レイコフ、マーク・ジョンソン 著
哲学書院 2004年10月15日発行
この”肉中”、
私たちの理性を表現する概念は、メタファー的であり、
その思考の多くは無意識のものであり、
身体と結びついて、生命本能をあらわしている意味である。
古今の記録され・積み上げられた概念が、
身体に直結していることが、基本的なメタファーの分析からたどられている。
西欧哲学概念をたどる . . . 本文を読む
H.マルクーゼ著 紀伊国屋書店出版の『エロス的文明』のブックカバーには、
ミロの絵が使われている。
その絵は丁度、
宇宙から地球に張り付いた生命のかけら
ミトコンドリアが栄養を抱え込んだように、見立てられた。
その生命がエロスとすれば
背景の暗黒は、タナトス
言葉も図象もメタファーとして、
人の生き方を変える。
人は生命の起源をたどって成長するように、
周囲の手がかりを拾い上げながら
暮ら . . . 本文を読む
<写真>草薙の近く、静岡のグランシップの前には、
回廊で囲まれた公園があって
人知れず、神々のお祭が開かれる・・・
<回想>
1972年 卒研をやり直そうと留年して、
友人にアルバイトで押し込んでもらった アトリエ磯崎新、
模型をつくらせてもらいながら、多くを学んだ。
最近の芸術新潮で、磯崎新特集があり、
日本建築を”垂直と水平”で語っていた。
留年のきっかけになったのは、マル . . . 本文を読む
ファッション・CMモデル、伊東美咲の映画
「海猫」が封切りされた。
モデルの映画では、江角マキ子の「幻の光」を思い出す。
理解できない夫の自殺で残されたマキ子が、
ただ、ゆっくり歩いている姿に、魅せられた。
身体の美しさが、精神の美しさと繫がるには、
その身体の表情にともなう、顔の表情の美しさが必要になる。
それを引き出すのは、
その人の環境を選ぶ判断力、人とのかかわり方。
そ . . . 本文を読む
写真は、JR名古屋駅のホームです。
左上の発車予定パネルの文字は、新幹線の正確な運行予定を知らせます。
西口広場を隔てたビッグ・カメラ、
ビル屋上の看板に社名が、
ビル壁面には、メーカーのロゴ、
つまり ブランドのメタファーがそのまま掲示されています。
夕刻、空が暗くなるにしたがって、ビルの輪郭は薄れ、
一つ一つのロゴが浮き立ってきます。
そのロゴに、人ぞれぞれの印象が想起され、
選べる豊かさと . . . 本文を読む
もう、クリスマス・ツリー?
そう、
11月1日から渋谷マークシティ・
イースト・モールの入り口に、
淡いブルーが滲み出すような
クリスマス・ツリーが出現!
クリスマスが近づくにしたがって、
色を変え、仕掛けを変えてゆくようです。
季節感を楽しむのか、
季節感が間延びするのか、
遠目には、ファーのようなヤサシサは、
クリスタルな輝きではなく、
ストールに包まれる人恋しさ
一夜に変わる紅葉の . . . 本文を読む