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「東京物語」と「ベルリン・天使の詩」

2004-12-09 22:18:34 | 映画・音楽・・・パッケージ・メディア
小津安二郎の「東京物語」は、
確かな街、尾道から、
巣立った子供達が暮らす、見えない街東京へ、
孫、子供達との距離が増し、
妻が先立ち、
確かだった暮らしが、形をうしなってゆく
”有”から、”無”へ


「東京画」で、小津安二郎監督へのオマージュを描いた
ヴィム・ベンダースの「ベルリン・天使の詩」
廃墟から立ち上がりつつあるベルリン
壁にかこまれ、だれも迷子になれない町
重さも、温かさもない天使が、
子供から大人へ
無限から、有限の人間の身体を得、
”空”から”色”へ

東京も、廃墟からたち上がったが、
街に意志はなく、
誰もが迷子になる。


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1 コメント

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生と死 (alf)
2004-12-12 07:41:28
「東京物語」では、連れ添って歩いた妻が他界する。

身体を失い、彼岸の世界へと逝く。

残された夫には、尾道の暮らし、自然が、無言で彼岸と繫がっているようで、

生と死は、同時であり、境界もなく、生もまた仮の姿。



「ベルリン・天使の詩」では、

語り続ける天使達、生命の歴史以前からさ迷う天使達、「父と子と聖霊」として、天と地をつなぐ。

天と地は、隔てられたものとしてある。



日本では、大陸の仏教が、天国・地獄などを持ち込んできた。しかし、八百の神々は、それぞれの地域の魂として、人とともにに、仕事を持ち暮らしてきた。

日本では、生と死は、ともにあり、

自然と生命もまた、ともにあるようだ。



ベルリンの天使が受肉するとき、

それは、地上の世界、カラーの世界、

「空」から「色」の世界への

転移を連想する。



「空即是色」、「色即是空」とは、

異なる意識のあり方が、ある。
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