のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

遺失物

2007-02-09 | 仲間
 大好きな電子辞書がいつもの場所に入っていないことに気付き、昨日は慌てました。辞書は買い換えられるにしても、そこに大事な名刺を挿んでいたからです。
 記憶をたどると、グリーンルームにおいてきてしまったような気がしたので、今日は早く行って確認しようと思っていました。でも早く行けませんでした。
 12時半からショーに関わる全ての人のミーティングがあり、それが終わってグリーンルームで辞書を探していると、ある人に「今朝、そこのテーブルにあったよ。多分クリスティンが持っているよ。」と嬉しい情報をいただきました。クリスティンをようやく探して訊いてみましたが、彼女は全くそのことを知りませんでした。
 3階のステージマネージメントに行って、訊いてみました。辞書は届いてはなく、放送をしてくれることになりました。その放送を聞きながら階段を下りて行き、グリーンルームを覘くと誰も放送を聞いていない様子。そこには人がたくさん集まっていて、今日はみなが早くきていることは感じられても、ビリヤードをしている人を見ても、卓球をしている人を見ても、コンピューターをしている人を見ても、ドミノをしている人を見ても、それぞれがそれぞれのことに集中している様子。階段を下り切ってちょっとがっかりしたところに会ったアナトリが「今のノリコの辞書のこと?」と訊いてくれて少し希望がわきました。
 私は最悪のことまで考えていました。だれかがeBayでその辞書を売ってしまい、買った人が名刺を見つけ、何か悪いことをするのではないか、そうしたらその名刺をくださった方に大変な迷惑をかけてしまう…
 そしてそのすぐ後には、いや、買った人が名刺を見つけ、そこに書いてある私へのメッセージを見て、名刺に書いてある連絡先に連絡をしてくれて、私の連絡先を探し出し結局は私の手元に戻るかもしれない…

 「そんなに親切な人はいないかな…。」

 一回目のショーの途中にすれ違ったマットが「辞書見つかった?」と訊いてくれました。そういえば、彼、クリスティンのことを話しているときにそこにいたような気がします。でもそんなに気にしてくれているとは思わず、訊かれたことに少しビックリしました。
 そのショーが終わってバタバタしていると「ノリコ、ステージマネージメントに来てください。」と放送があり、その言い方に「えーっ!」と思わず声を上げ、階段を駆け上がりました。辞書が届いていたのです。放送をしてくれたジュリにお礼を言うと「見つけたのはマットなのよ。」と。
 辞書を大事に抱えて階段を下りていくとグリーンルームにマットがいました。お礼を言って見つけた場所を訊いたら、どう考えても探さないと見つからないような場所。彼とはあまり話すこともないのにそこまでしてくれて本当にありがたいと思いました。
 
 …親切な人は身近にいました…