フェーブ

　車を今日届けるから、と言っていた友人からの連絡がなく、天気も良く自転車で行くつもりではおりましたが、友人と入れ違いになるといけないと思って連絡をしました。そして、今日は持ってこられないと。
　MGMへ行って、気づくと友人から留守電が入っていました。
「今日は持っていけずにごめんなさい。でも新しい車が明日手元に届くから楽しみにしていてね。」
　私はびっくりして、電話をしました。留守電。新しい車ってどういうことだろう、整備をして“新しい”車になるということならいいけれど、違う車になってしまったら淋しい。凹みはあって、部品は取れていて、電気もブラブラしています。でも、私はあの車が好きなのに…。自分の車ではないので、何も言えませんが、私のために新しい車にして下さるのなら、私は今まで使わせて下さっていた車を買い取ってもいいとさえ思いました。
「新しい車ってどういうことなのか少し心配しています。生まれ変わったいい状態ということならいいのですが…。私はあの車が大好きですから…。」
　ご迷惑をお掛けしないで、事が一番いい方向に進みますように。

　今週に入ってからのことでしたでしょうか、身体におかしい部分が発見されました。飴をなめていて誤って飲み込んでしまったような状態がときどき出るのです。私は内科的な疾患に明るくないので少し心配していました。　
　今日は舞台に立っているときに、踊っている最中に、のどが詰まったようになり、もしかすると舞台の上で倒れてしまうことだってありうるかもしれないと、そのままこの世を去ることだってあるかもしれないと、そこまで思ってしまいました。きっと、悔いなく今を生きているか、振り返るときなのでしょう。
　動くに何も問題はありません。喉から食道、胃にかけて何かが動いている感じがときどきあるだけです。何か食べ物ではないものを食べてしまったのかと考えながら、2000年が明ける年末年始、フランスからオランダへバトンを教えに行っていた時のことを思い出しました。
　その時によく頂いたパイ。パイの中に、フェーブと呼ばれる陶製の小さな人形や動物の置物が一つ隠されています。切り分けた時に自分のところにフェーブが入っていたら王冠が渡され、その日は王様、王女様になれます。また、その人の幸せが続くとか。
　昨日のチャイニーズニューイヤーで振る舞われた、もち入りパイのようなもの、もしかすると中に何か隠されていたのかしら…。フェーブがお腹の中に？？？幸せが続くということにしておきましょう。