のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

地下のスタジオで

2008-02-13 | KA
 ほぼ無風。洗濯物を干しながら、背中に太陽の熱を感じるほどの暖かさ。
 朝食を食べ終えて、何かをしていた時のこと、砂埃のにおいがしました。ふと窓を見上げると曇り空。洗濯物がカタカタいっています。急いで外に出ると、洗濯物が落ちてしまうほどの風が吹いていました。
 それから木が、左右どころか頭をぐるぐる回すほどの風が吹いて、いつも遠くにはっきり見える山は、霞んで見えるほど。黄砂?ラスベガスまで届かないか…。そうか、「春一番!」。勝手に“春一番”と決めました。

 今日はミュージシャンたちと一回目のショーを楽しみました。ミュージシャンはいくつかのシーンで舞台に立っているのですが、それを見逃している方は、KAの音楽は生演奏ではないと思っているようです。
 ミュージシャンは8人います。スタジオは地下にあります。舞台に立たない時は、地下のスタジオで大きなモニターを見て演奏をしています。
 私は指揮者のリチャードの後ろに座りました。私の後ろではレオネルがギターを演奏し、右にはキーボードのジャニン、チェロとアルトのジュリ、右後ろにソプラノのロッシェル、アコーディオンのウベールと並んでいます。スタジオはふたつに分かれていて、ガラス越しにドラムのエリック、バスのデリックが見えました。
 リチャードの正面にはキーボードが二段に並んでいて、上段は、私の左に4つのモニターがあるコンピュータと繋がっていて、録音された音に指示を出すのに使われます。また、彼はマイクを付けていて、指揮はそれぞれのイヤホンから伝わってきます。私もヘッドホンを着け、そこから指揮も、厚みのある音も、またショーのコールも聴くことができました。
 リチャードの左横には普通のコンピュータが置いてあり、彼は直前までインターネットで楽しんでいました。と、思いきや、ショーが始まってからも時々画面を見ては面白いことを発見すると、それをマイクで言ってミュージシャンを笑わせたり、ときには画面を見たままキーボードを見ないで鍵盤を叩いていることもありました。同時にいくつのことがこの人はできるのかしら…。一つのことしかできない私は本当にびっくりしました。
 ジャニンのキーボードの前に広げられているのは、楽譜ではなく雑誌。雑誌を見ながら演奏しながらリチャードの冗談に答えたり…。さすがに森のシーンのデュエットは新しいので楽譜を置いて、真剣な目で演奏していましたが、みなさん本当に余裕たっぷりなのです。
 しばらくここへ来る機会はありませんでした。以前は来たのはいつだったかと考えている時、ソプラノのべスが面白い楽器を演奏していたことに気づきました。べスが居なくなってから1年以上経っているので、以前来たのはそれよりも前のことです。変わらずに楽しいスタジオ、ミュージシャン、以前にも増しての余裕。楽しい雰囲気、たくさんの余裕の中から、生きている音楽が生まれていることを感じました。